なゆーのテキトーブログ

普段はTwitter(@oxygen60499747)より感想兼考察を投稿していますが140字では抑えきれなかったリアルでは言えないアニメへの想いをひたすら綴るブログとなっております。自分が感じた事を上手く言語化出来るように善処します。

「”女児アニメだから”で割り切りたくはない今作の美点」 プリパラ無印 第29話感想

 

腑抜けたファンシーモードの「自分」から脱却する為に頑張る。

(第1クール目で成した成長)

          ⇓    

今まで「支えてくれた人達」の応援に応える為に頑張る。

(今話で見出した新しい志)

この2段階のモチベの変化こそ、そふぃちゃんパートの全貌。

 

 つまり....

無印第12話で”前者”の本筋が達成出来た。

→その恩返しとして”後者”の目的意識が芽生える流れなのかなと

 

てっきり今話は大神田校長主導のギャグ回だと思っていた。

そして、正直1クール目(1段階目の成長のみ)でそふぃちゃんの担当パートは終わりだと思っていた。だがその延長線上に秘められたそふぃちゃんの原動力の変化が丁寧に描かれたお話。

 

また、その変化を映し出す際、“今まで周りに頼り切りだった姿からそふぃちゃんは本当に脱却したんだ!“という第1クール目における本筋の達成を再度印象付ける為に、親衛隊から差し入れとして渡されたレッドフラッシュ(即ち梅干し)をそふぃちゃん自らの意思で拒むという行動を以て証明する過程の抜け目の無さ。仮に1クールの内容を覚えていなくても彼女の成長に納得出来る構成。第12話以来にそふぃちゃんパートを描く時間差を考慮した(と思われる)地に足をつけたシフトのさせ方が良かった。

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また、Aパートでは納豆を伸ばす事にも苦戦していたという成長前の部分を極端に描いていたからこそ、ラストの場面でそふぃちゃんがタイヤを少しでも動かせた事、たった少しでもその成果の捉え方がビフォーと照らし合わせる事で、より肯定的に捉えられる。加えて、体力が人一倍無い彼女をあそこまで突き動かすくらいファン達への思い入れがあったんだという彼女の熱意を示す役割もあるフリの演出だったのかなと。

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そして個人的にグッと来たのがそふぃちゃんの頑張りに対する他2人の立ち位置。奮闘するそふぃちゃんを後ろから励ましながら応援するこの両間の距離感がマジで良い。

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この構図は、第1クールでのそふぃちゃん回から一貫されてる。

(↑↑ 鳥かごんとこは個人的に今作屈指の良演出)

脱力しきったファンシーモードの時に、色々な人達に迷惑をかけてしまったからこそ、今度は自分の力だけで困難を打破したい。

→そういうそふぃちゃんの向上心を知ってるが故に、露骨に手を差し伸べずに傍から応援しつつ見守る。

→それでいてグループ単位の障害は皆で乗り越える対宝塚トップスター戦。

仲間想い故のメリハリ付け。

まさに第1クールの内容を踏まえたブレない3人の友情の形を見せてくれた。
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最後に。(少々自分語りになってしまう事をご容赦ください...)

「いやいや第12話で一度終わらせたものを今更掘り下げられても...」

「女児アニメという前提だから許せてしまう展開では?」

と言われてしまえば確かにそれまで。

だけど、その一言二言で私は今作を見限りたくはない。

確かに幼い年齢層に向けた作風に対する寛容さはある程度必要です。ただ、初見時に感じた一時の先入観を抜きにして観れば、それだけ掴み取れる物語としての魅力があるんだと改めて気付かせてくれた。

確かにベタで大した事ない事を大袈裟に見せる取っ掛かりや大神田校長等のキャラデザに対するこっ恥ずかしさはあります(笑)、ただそこを受け容れた先にはちゃんとその話の本筋として毎話毎話描こうとしているキャラクターの変化や成長といった掴み所、掘り下げ甲斐があると自分は思っています。

むしろ自分は作画とか演出の部分よりも(勿論そこも大事ですが)、何よりストーリー面のフリ回収や地味な理屈付けの部分を面白さの基準にしてる部分があるので、その趣向に毎話一貫して本筋(テーマ)を埋め込んでくる今作の脚本がハマっているのかなとも笑

幸か幸かアニメ沼にハマって早2年。良くも悪くも目が肥えてきたが故に、3話まで様子を見ずにすぐ表面的に「観るのがキツい」「悪い所にばかり目が行ってしまう」等と決めつけていたひねくれた視点に喝を入れられた様な気分。ジャンルに対するチューニングの先に、唸られる面白味が今作の場合にはあると女児アニメ新米ながらに感じました。

Twitterにて無印の各話感想は今後共続けさせて頂きます。