「停滞は時に残酷。」イエスタデイをうたって 9話感想
いやぁ………この停滞をどう感じるか…ですよね。そこに「観所を見出す」か、受け入れ切れずに「進展が欲しい!」と思うかでだいぶ感想が分かれて来そうだなと。
そう感じた今回の第9話でございますぅ。
個人的には出来れば作品と同じ目線で観ていたいという気持ちが強いので、いつもは前者の気持ちで感想を綴る事が多いですが、今話に関してはどうしても直感的に後者感情での感想に落ち着いてしまいました。
申し訳ないです😓予めご了承くださいませ。
”良くも悪くも”進展を望んでしまう理由。
だって第一にまず晴が可哀想過ぎますもん。
陸生と榀子は7話8話にて最早一線を越える1歩手前まで進んだ関係な上、今や陸生自身も榀子と結ばれるに相応しい自分になるという信念を掲げて、今カメラマンの仕事に打ち込み頑張っている訳で。
もうこの時点で、そこに晴が入り込む余地はないのでは感じてしまった。だから残酷だとは思うが、彼女の気持ちを切り替えさせる機会をなるべく早く齎すためにも、早いとこ陸生と榀子にはくっついて欲しい、はよ決着を付けて欲しいと思ってしまった。
それともここから晴には現状に抗う術が齎されるのでしょうか。叶えたい恋路の為に現状のコンビニバイト生活を脱しようとした陸生のように。陸生への恋心と高校を退学したこれからの事。
個人的には、この2つがどうにか両立出来るような転機がせめて訪れて欲しい。仕事へのモチベと恋心を両立させた今の陸生が良い例。そうなれば少なくとも晴自身の成長には繋がると思いますし、何より物語自体の進展にも繋がる。
EDのラストにおける、continue?YESにカーソルが合わさっている表記はまだまだ彼女はやれるという意味なのでしょうか。頑張って欲しい。
それともうひとつ。榀子と浪君の関係性について。これは宜しくないと率直に申し上げておく。
一度関係が拗れても昔ながらの幼馴染であり続けたい、そう思う気持ちは分かるが、そもそも浪君が画家を目指しているのは、亡くなった兄の投影から自分の事を見る榀子に”早川浪”として自分の事を見てもらえる様な人物像になる為。
それは即ち榀子への恋心を持っているという事。この事実は9話時点でも一切変わってなどいない。幼馴染でありたいと思いつつも、その関係を壊す恐れのある恋心を秘めてる。この矛盾は今でこそ支障を来たしていない。
だからお互いに今はそれでいいと思っているかもだが、後に必ず爆発を起こす。あの時、浪君が榀子を抱きしめた出来事の様に。
また同じ所をグルグルと回り続けるのか。陸生との関係にハッキリとした結論が出ていない今、この幼馴染という体を纏った停滞状態は大変危険なのでは。
そう感じる2人の仲直りでした。
ただ、改めて我に返り考えるとこれらは全て綺麗事に過ぎないのかもしれない。
何とかしないといけないとは分かっているのに何も出来ずに現状に甘んじてしまう。こんなのは誰もが経験し得る事。もし彼等が自分だったら…きっと私自身も昔に浸り、仲間と談笑する事に逃げたくなってしまう事だろう。つまり停滞状態の実現である。
そう考えると、本編中で描かれた回想、思い出の数々に心地良さを感じたのは、ある意味彼等に共感していた証だったのかもしれない。
客観的には否定したくなる現状やキャラの行動に、何故か感情移入を促されてしまう自分がいる。このむず痒さをどう作品の評価に繋げれば良いのだろう。
今はまだ分からないまま…