なゆーのテキトーブログ

普段はTwitter(@oxygen60499747)より感想兼考察を投稿していますが140字では抑えきれなかったリアルでは言えないアニメへの想いをひたすら綴るブログとなっております。自分が感じた事を上手く言語化出来るように善処します。

2020夏アニメ総括

間髪入れずに2020秋アニメが始まって数日。初回放送を見逃してまで今まで何やってたんだという感じですが前季アニメの総括になります。1作品でも目を通して頂けると嬉しいです。 

※本総括はあくまで個人的な趣味趣向に偏った内容である事を予めご了承願います。

 

  総括作品一覧

(メジャー2ndとフルバ、リゼロ2ndSeasonは完結した後、総括とする。)

切り作品

・アラド:逆転の輪(1話切り)

・異常生物見聞録(3話切り)

炎炎ノ消防隊弐ノ章(7話切り)

保留中(後で必ず追いつきます。。。汗)

・ノーガンズライフ 2クール目

・俺ガイル完

 

 

 

Lapis Re:LiGHTs

正直言うと女の子達がキャッキャウフフしているだけで作品相応の面白さはあった

個人的にはキャラクターのビジュアルに対する可愛いぃぃぃ印象以上の愛着を持たせるストーリーとしての魅力、キャラへの共感度は最終話Bパート以外そこまでなかったと思う。そこレベルの面白さ(過去作でいうと「Re:ステージ」みたいなレベル)を求めてしまうと肩透かしに遭う恐れがあるものの、ただ膨大な量のキャラクターを1クールの尺で無理に全員を出そうとするあまり個々の掘り下げが足りず、最終的にキャラへの想い入れもストーリー面すらもイマイチ盛り上がらずに終わってしまう印象が強い最近のソシャゲ原作のアニメの性質を理解し、それでも尚それらの作品と同じスタンスで1クールの構成を組もうとした上での最適解を示した作品だと思う。

具体的には妹愛が強すぎるが故の変態、百合っ気ムンムンの幽霊、口で喋らない代わりに魔道具を使って会話するキャラ等、1人1人の見せ場は少なくとも初登場時の1回でインパクトの強いキャラクター性を主張し爪痕を残す。そしてその大味なキャラ同士が掛け合いを見せていくと。何かそこにテンポの良さだったり特質すべき面白みがあるかと言われれば分からない。ただ特徴が大味なキャラ達が各々個性を存分に発揮させながら微笑ましく会話を繰り広げる。その光景だけで自分は萌えアニメとして十分楽しめた。

彼女達の内面を具体的に掘り下げる訳でも個別(グループ)毎に感動出来るストーリーが展開される訳でもない。ただ表面的なキャラ性がとにかく特徴的で濃い故に、印象には残りやすい。そこから興味を持ち始めた視聴者がゲームに流れると。ファン感情として全然そうなり得る可愛さが全員のキャラクターにあったと思う。繰り返しにはなりますがまさに今作は原作であるソシャゲに出てくるほぼ全てのキャラを登場させつつ、1クール尺に収めようとした場合のアニメ構成の正解を示した作品だと感じた。

 

魔王学院の不適合者

敵を簡単に葬り去ってしまえるが故に敵を倒していく様が下手すれば呆気なく味気ないものに感じられかねない俺TUEEE系という素材を存分に活かす下ごしらえを欠かさず、旨味を凝縮して、数少ない俺TUEEEE系における良作のレールに乗っかった作品。

まずこれは超個人的な感触なのですが、今作のジャンルでもあり他作品でも同ジャンルの作品が多数存在している「周りからは弱いとされているのに実は強い主人公」系。この矛盾した設定が「純血種から混血種への差別意識」という解説1つで大変分かりやすく且つ附に落ちる形で台詞に落とし込まれていて、作品の印象が大体形作られる導入部にあたって非常にのめり込みやすい作りだった。またそのテーマをただ初期設定を理解させる為だけに使うのではなく、その構図を利用した展開が1クール中何個も出てきてその度にアノスのチート劇が観られるのが楽しかった。

さて本編。基本的にこの作品は、巨大な建築物を掌でクルクル回したり心臓を抉っただけでは死ななかったりと(アノス語録参照)規格外なチートの力を持つ主人公のぶっとび加減に脳死で大笑いが出来る。そういった単純明快な面白さが用意されてる。

だがそれだけではいつものなろう系と一緒だし、その光景を1クール見続けるとなるとあまりにも一本槍過ぎる。(序盤はそれだけで十分かもしれませんが...)

だが今作はひと味違う。

またどうせ勝つんだろ?と分かりきっているチート無双を魅力的に、より痛快に魅せる為の前段階として描かれる被害者側の背景の掘り下げ。これが徹底されていた。何故被害者である彼等は虐げられ、何故虐げられても尚抗おうとするのか。そういった被害者側の壮絶な苦悩を時間の長さや従来敷いておいたフリを駆使して我々に感情移入を促す。

彼女達に救われて欲しい!今までの努力が報われて欲しい!という願いを此方側に引き出させる事によって、被害者側の行いに全て確実に実を結ばせられる最強という属性が活きてくる。

特に4話は最高。まるで「転スラ」第7話のシズ回を彷彿とさせる様なシナリオに涙した。

また初めはいつものいけ好かないイキリチート野郎と思っていたアノスを男女問わずカッコイイ...!と思わせてくれる行動言動が終始落とされていて、ヒロイン達をアノス宅に招く回に見せる家族への優しさ、親への感謝を欠かさない所とか主人公として凄く好感が持てたし、何より戦闘シーンで自分に尽くしてくれた配下に「ご苦労だった」という労いの言葉を欠かさずかけてあげる所。そして自分だけが役目を果たすだけでなく同級生達にちゃんと活躍の場も与えてあげている。こういうのをさり気なく見せてくるのよね。チート並の強さに加えて人としても優れた人格

当初はギャグとして捉えていたアノス語録が最後の方は素直にかっけぇ...と思わせてくれる程。これこそチート主人公としてあるべき姿だなと。最早ヒロインの可愛さをも越える魅力を放っていたと思う。

もう一つ面白かった所は、2000年前と現世に纏わるミステリー要素。何故2000年前ではこう呼ばれていた魔王の名が現世では誤った名で継がれているのか、こういう歴史的な繋がりを用いた謎が散りばめられていて、初めの方はそんな深くは考えなかった。むしろそういう認識のズレを2000年前の記憶を持つアノスの手で容易に正される流れをコメディとして楽しんでいた(←またこれが同時に従来差別を受けていた混血種による純血種への下剋上の意味も兼ねているのがまた痛快な点)。だが回を追う事にそういった継承のズレに意図的な思惑があるのではないか?という疑惑に繋がっていき、最終話では犯人が明かされる。そこに秘められた勇者と魔王との繋がりにもまたグッと来るのよ。

また前段落に繋がってくる所でもあるが、アノスは嘗て争いのない平和な世を願って自ら犠牲になった。その想いが現世に転生して裏切られる。それでこの現状にぽろっと零す皮肉もまた味わい深くて。自分なりに分かりやすく言うと偉人のタイムスリップモノの様な面白さ。偉人が生きていた時代ではこういう世の中を願って果たした偉業が、実際に未来に行ってみると全く意図してなかった事に悪用されていた、みたいな。

 

彼女、お借りします

1クール通してヒロインのビジュアル的な可愛さだけではなく物語やラブコメとしての魅力を見出す事が出来たのが個人的には大きい。2期も純粋に観たいと思えた。

序盤こそレンタル彼女という仕事の範疇と私情が混同したり(←レンカノという設定を活かせていない)、婆ちゃんに本当の彼女を連れてきて喜ばせてあげたいという目的と行動が一致していない主人公等、「なんでそういう行動(言動)をするの!?」という各々キャラ達の考えと行動が一致しないというツッコミが絶えぬ笑えない展開が多くあってそもそもキャラクターに想い入れを持つ事が出来なかった当事者の気持ちを考慮しない2人きりシチュ作りの強引さとかもラブコメとして致命的に好感を持つ事が出来なかったというのが序盤から中盤までの正直な印象でした。(所々良回はあったものの...)

ただ後半に行くにつれて婆ちゃんへの後ろめたさ(→突き詰めるとレンタルを止めた方が良いとなるのが妥当)と中途半端な私情(→何故かレンタル関係は継続させておこうかとなる意味不明な妥協)との間であやふやだった和也と千鶴さんの関係に今後ともレンタルを継続させるだけの理由として筋が通る展開が挟まれたり(6話より)、

また1人単体で情熱大陸が成立するくらい千鶴さんのレンタル彼女としての矜持(仕事としてレンカノに向き合う心構え)が窺えたりと(10話より)

物語としても観たかったものが漸く描かれる様になった。何が言いたいかというと後半の話数だけで千鶴さん1人の株が一気にハネ上がったのである。これが大きい。故に現状ヒロインとして好感が持てるのは千鶴さんと墨ちゃんのみ。

誰も愛せなかった初期と比べたら大きな進歩。少しずつ物語として印象がUP

正直1クール完走した今でも、瑠夏が和也に惚れた動機付けが甘いせいで永遠にヒロインとして共感出来ない所とか、麻美さんが何したいのか分からない問題とかラブコメとして怪しい点はあるけど千鶴さんのお陰で2期へのモチベーションは十分です。

参考までに2期で期待しているポイント

①和也は千鶴に好意を持っている。でも千鶴は和也を仕事相手として見なし彼の彼女作りをサポートしている。このすれ違いを如何に和也が詰めていくのかという過程。

②また、それを詰めるにあたって必須環境である千鶴とのレンカノ関係が彼女の女優転身によって無くなってしまう危機をどう打開していくのか。

 

 

富豪刑事BUL

OPは今季屈指で好き。(ボーカルの方ジャニーズのグループらしい...知って意外)

だが物語に焦点を当てると、今作の構成に対して各要素の絡ませ方が全体的に不細工だった様に思える(勿論良い所もあったのですが)。具体的に言うと...

金を豪快に荒遣いして事件を解決していく富豪要素。

富豪と庶民キャラという凸凹コンビの性質を活かした日常風景or掛け合いの面白さ。

硬派な刑事ドラマで描かれる様な本格的サスペンス要素。

(④大助、春、星野涼など人物の掘り下げ)

基本的に今作は1話で①の部分が中心に描かれてそこから②③へと描かれる題材が移っていくという1クールの流れ。そこに時として④が挟まれるというイメージ。

これが各々1本の軸だけしか取り上げられない回は面白い。金に物を言わせて豪快に事件を解決していく1話の爽快感とかお坊ちゃまが初めて春の生活に触れながら庶民と富豪の価値観ギャップを示していく4話の日常回とか、明かされた警察の闇とそれに数十年間抗いを続ける長さんのキャラが立ち始める6話7話の本格派な所などなど。

ただ2軸以上が物語に絡ませた途端に粗が生じるのが頂けなかった。代表的な所でいうと①の富豪要素と④の人物掘り下げの絡ませ方。主に序盤で春の過去が掘り下げられ、それを彼自身の意思で乗り越えさせようとする超克の場面で大助が乱入しあっさり金で解決してしまう所だとか。3話はマジで萎えた。物語の落としどころとして活躍させるべきキャラの晴れ舞台を潰す富豪属性には”そうじゃない感”が物凄かった。

あとは②の大助と春の関係性と③の本格派との縺れ。詳細は省くが最終話にて黒幕の逮捕か世界大戦へのリスクかを選ぶ重大な局面。大助自身が自らの意志で決断を下さないといけない所で、偶発的に春がその決断を果たしてしまう。それに大助は大笑い。正直意味が分からなかった。まだ春が自ら大助の心の内を察した上で行動に出たのならまだ分かるが、偶然の産物で今作最大の局面が乗り越えられてしまう。今までの本格派な軸を台無しにするかの様なラストのオチにはガッカリさせられた次第。

まぁ③の本格派軸に移ってからは、今まで憎たらしい冷淡な印象であった星野の元部下としての本音を引き出させた上で春が嘗てのトラウマを克服するという③と④の秀逸な絡ませ展開もあったが、全体的には各々の軸が移っていく中でその時その時の軸1本が中心の回が面白かった。故に良回と微妙回との落差が他作品と比べて大きかった

 

宇崎ちゃんは遊びたい!

まず宇崎ちゃんは全くウザくないです笑。観れば観る程、ウザ可愛くて尊い2人の関係がクセになります。

その要因として自分が特徴的だと感じたのは、第1話のクソキャットから始まってマスター親子や榊君(正しくは”木”偏に”神”)の登場といった回を追うにつれて増えていく三者視点のキャラによる桜井君達への絡み、それも全体で特定の男女2人にカップルというレッテルを張ってからかう中学校のよくある集団圧みたいなウザったい強引さではなく介入しすぎず動向を見守ってる感じが個人的に凄く好きでした。例えるとマスター親子は宇崎ちゃんと桜井君の掛け合いを画面外から観る視聴者と作中における彼等の親友ポジの間にいる感じ。友達と恋仲の間という2人の宙ぶらりんな感じをこのまま楽しんでいたい、むしろ彼等を眺めながら白飯を美味しく頂きたい!という率直な欲望が漏れているからこそ表れる程よい場作り要員さが面白くも不快にならない絶妙なラインでした。個人的には今季の名脇役だったなと。

あとは当然のことながら宇崎ちゃんと桜井君単体カプだけでも魅力が溢れている

1話当初は”からかいからかわれる””マウントを取る取られる”の関係性のみだったのが、赤面を浮かべ合う恋仲に近い関係になったり、桜井君の家で普通に宇崎ちゃんが昼飯を作り始めるというまるで夫婦のような関係になったりと2人にはあらゆる関係性の形が秘められている。そしてそれらの関係性は自然と変容していく流れ。これにとにかく悶えさせられる訳なんですよ!

個人的に一番ヤバかったのが、ここは確実に宇崎にマウントを取られる、弱みにつけ込まれて宇崎にからかわれる...!と桜井君が思った所で彼の思わせぶりな発言に宇崎ちゃんが反応してデレる所。途中まではマウントを取り合う友達のやり取りだったのが一転、恋仲としてのドギマギな関係に変わる。その様子がもうすんごいんですわぁ笑。こういった関係性の自然な変容、これに堪らなく悶えさせられる訳なんです(伝われ)。

総じると2人きりになった時の内、第三者が絡んだ時の外、この内外2面からに渡って宇崎ちゃんと桜井君の尊さをより厚く、より濃く描いていく作劇が我々の心をしっかり掴んで放さなかったんだと思う。全く飽きずに最後まで楽しめた。

2期制作もおめでとうございます!楽しみにしています。

 

SAO アリシゼーション WoU 最終章

まず作画と劇伴が1クール目と変わらず神である事は先に言っておきます(サントラが発売されるなら買います)。ですが今から今作を観る方に言っておきたい。決して従来のSAOの面白さに期待してはいけない。 即ちシナリオとしての面白さは殆ど存在しないと言っても過言ではないと僕は思う。

これを観るくらいなら劇場版OSを鑑賞する事をオススメする。

最たる盛り上がりが嘗てのシリーズで出てきた英雄達が参戦してくる所。

それならもうOSと過去シリーズで間に合っているんだから。

WoUとしての面白さがあるかと言われればほぼ皆無に近い。それどころか死者を雑にポンポン蘇らせたり、アインクラッド編では無差別テロ同等の犯罪を犯した茅場晶彦を英雄扱いする展開や、全っっっっく知らないモブキャラをラースの裏切り者だったと衝撃の展開!っぽく見せて引く回だとか最早これギャグとして捉えた方が楽しめるんじゃないかと思ってしまう程。

アニメ勢に配慮したくなくなったのかそこの疑問点の説明も本編でされなくて。今まで純粋にシナリオとして面白いと思っていた分、今作をマジメに観るべきかギャグアニメとしてハードルを下げて観るべきかが分からなくなってしまった。今思うと「ジビエート」と張ってもいいシナリオの粗さだったと思う。

本来のSAOの面白さに戻ってくれ。これ以上失望させないで欲しい。

 

ド級編隊エグゼロス

Hネルギーとはエロスだけではなく他人を想う純粋な恋心。この2つ含めてHネルギー。

1話で作品自らが提示したこの定義をすっかり忘れ、ただただ前者だけを下品に強調させたがるエロアニメに段々と成り下がってしまったのが何とも残念。

幼少期にキセイ蟲を無自覚に返り討ちにした事で自覚してしまった己のHネルギーの膨大さ。それがエロスだけで構成されていると勘違いした故に恥じらいを持ち、それ以来今までの自分を抑え込んでしまった雲母。だがHネルギーはエロスだけではない。人が人を好きになるという事は何より尊いものなんだと。きちんともう一つのHネルギーの側面を烈人が提示してあげる事で、雲母が恋心という名のHネルギーを肯定し始め、エグゼロス入団に至る。うろ覚えですが多分こんな1話だったはず。

このようにちゃんと1話ではHネルギーを構成する2要素が見事に両立されていた様に思う。作画上質なお色気展開は勿論、それだけではなく雲母の恋心にスポットをあてた上品な掘り下げがあったしエグゼロス入団に至る理由付けもしっかり成されていた。それで今作品はエロス以外でも期待出来る所があったと思った故に、それ以降徐々に徐々に作画と共にその上品さがそがれていく作劇には落胆を抑えられなかった。

いくらツンデレ属性とはいえ、烈人へのアプローチとして最初から最後まで裸を見せる事しかやってないのはあまりにもお粗末だし雲母が可哀想。しかもどれも雲母の意思ではないというね。最初からエロギャグモノとしてハードルを低くして観られればどれほど良かっただろう。そう思うくらい途中から雲母の心にほとんど寄り添りそってくれない。このような単調さを今作に望んでいなかったです。1話だけが僕にとっての「エグゼロス」です。

 

ピーターグリルと賢者の時間

この作品で主人公がやってる事はあの伝説の伊藤誠君にも引けをとらない屑行為。なのにも関わらず何故だか主人公に不快感を湧かず笑い飛ばせる事が出来るというのが今作最大の魅力。

それは少なからず彼が無理矢理子種を搾取されているという被害者側の立場にいるからであろう。自らの意思で婚約者を裏ぎる共犯でありながら強引に迫ってくる異種族達の暴力的な体に籠絡される被害者でもある主人公の立場。常に罪悪感と本能の狭間に立たされるからこそ、終始渦巻く男としての性に従ってしまったが故に味わう後悔をひたすら繰り返す。そういった主人公への不憫さとお馬鹿さが不快感を上回り、ギャグとしての笑いに繋がる

エロギャグモノとしては今季屈指で面白かったです。

 

THE GOD OF HIGH SCHOOL

中盤の地区大会編までで言えば今まで観てきた海外原作作品の中で一番面白かった。

MAPPAさんの作画力は勿論、パンチや武器を駆使しながら相手を組み手感覚でぶっ飛ばしていく際の打撃音(音響面)や拳と拳のぶつかり合う気迫とかがとにかく清々しい気持ちよさがあって。”考える”のではなく目で観て耳で聞いて”感じる”戦闘シーンの魅力がビンビン伝わってきて。

あとその頃は純粋にシナリオや演出面でも光るものがあった。予選大会編ではジン・モリ、ユ・ミラ、ハン・デイという主要キャラを掘り下げながら大会を勝ち進んでいくという話の運びなのだが、その際のキャラの掘り下げに個人的には惹かれるものが。

その中でも印象的だったユ・ミラの月光剣法継承と本来あるべきJK像との葛藤、自身には素質が無く姪であるミラに泣く泣く継承を託すしかなかった叔父としての歯がゆさ、それらを拭い去るジン・モリを筆頭とする友情の在り方。これらの魅せ方がキャラへの想い入れ然り唸らさせるものがあった。2話の過去ツイート↓(演出面の話)

 その他2人にスポットが当たる展開も別に悪くはなかったし、更に彼等の掘り下げを受けてから戦闘シーンを観るとMAPPAさんの技術力に加えて、ちゃんと共感出来る形でキャラクターの想いが一挙手一投足に渡り乗っかってくるから初回よりも一層味わい深い、それこそこの作品にしか出てこないキャラクターならではの戦闘シーンに仕上がっていたと思う。この頃はMAPPAさんの作画と今作のストーリーの面白さが共鳴しあっていた。

 だが予選大会以降の全国大会編は酷かった。

まず、予選大会時でさえぶっ飛んでいた選手陣の戦闘体系に新たに化身(?)が登場した事で一方的な殺しが多くなってしまい、しかもそれを用いた倒し方も血みどろな残虐非道なやり方になってしまった事で当初の敵をぶっ飛ばす気持ちよさが無くなってしまった。あくまで個人的な印象ですが、超次元過ぎる異能の追加は蛇足だったと思う。

物語の内容に関しても劣化の一途を辿る。終盤にかけ、今までなりを潜めていた黒幕が表舞台に出てきた事で、奴等の大規模過ぎる神召喚(この時点で意味不明)とそれを止めようとする運営陣との意味不明な攻防最早両者何をしているのかが全く分からないカオスな展開に。そこに「鍵」やら「狐」やら「西遊記」やら説明が成されないファクターが加わり、物語への?マークに更に拍車をかける。ストーリー性は最早皆無でした。

故に、ただただMAPPAさんの色褪せない所か10話ではキャリアハイレベルの作画力を堪能するだけ(だけというのも失礼ですが...)の品評会と化してしまった。(本当にMAPPAさんには心からお疲れ様でしたと伝えたい。)個人的に中盤以降はGOHという物語としての面白みはなかったと思う。1クール通して面白いと言える海外原作作品を自分はまだ知りません。

 

モンスター娘のお医者さん

正直2020冬アニメで圧倒的に面白かった某異種族系風俗アニメの印象が強すぎてそこに引っ張られた感はありますが、自分がこういう異種族系作品に求めている事としては

如何に異種族各々の性質を巧く活かしながら話を展開させるのか。

この要望にこの作品は応えられていたと思う。

ケンタウロス族ならではの蹄の重要性、マーメイドならではのえら呼吸と肺呼吸を使い分けるバランス等、異種族ならではの特徴に着目した病状とそこに合わせた治療法の描写に人間に対する医療行為とのギャップを感じられ、まさに注文通りの面白さがあった。

また、体面の治療だけではなく心のカウンセリングも欠かさないというのが今作独自の魅力だとも感じた。痛覚が存在しないゴーレムの性質に対し、だからといって貴女の心の苦しみがない訳ではないと告げる3話での一幕だったり、パピーに対して貴女が飛べなくなったのは翼に原因があるのではなく、自身の心の在り方にあると告げ今まで逃げてばかりだった自分と決別する回があったりだとか。異種族独自の性質だけではなく、個人個人の内面にも寄り添った上で解決を促すグレンの説得台詞が秀逸だった。

ただ全体的に見るとやはり良回と悪い回との差が大きかった....

人間でもありがちな病状を単に異種族に当てはめて人間に施す治療法もそのままにという一切異種族ならではの素材を活かさない回があったりもしたので...

そこの落差を終始埋めてくれていたのは個人的には今季で最も可愛らしいヒロイン(namu調べ)であるサーフェの存在ですかね...。

グレンとは幼馴染関係でありながら今では彼の助手。どこが素晴らしいかというと、基本的に今作は医者であるグレンと患者とのマンツーマンで進んでいく訳だが、その診察の過程でグレンが異性の患者の体に色々触れたりする。本人はいたってマジメにやっているしそれをサーフェも分かっているはずなのに不意に顔をムッとさせたり機嫌を損ねてしまう。この嫉妬深さがとにかく可愛いぃぃぃぃのよ。また回が進んでいくにつれてどれだけグレンハーレムが拡大を続けようとも、長年の幼馴染ヒロインであるサーフェが最初から最後までメインヒロインの位置づけだった事には感謝。

グレンがサーフェに告白する話も中にはありましたし。その回もラミアが変温動物が故の寒がりな所や彼女には涙腺が存在しない故に泣いて訴える事も出来ない。こういう表面上では分かりづらいラミアの性質と恋焦がれる1人の乙女としての苦しみに医者として、何より長年付き添ってきた幼馴染として気付いてあげられなかった不甲斐なさを告白に至らせる決意の足がかりとして展開させる作劇もまた巧かったのよ。

ただ2人の幼馴染関係をもっと深く掘って欲しかったぁぁぁぁぁぁ(ただの僕の趣味ですごめんなさい)。本編で描かれたのは一度別れを遂げてしまうまでの幼少期のみ。そこで何故グレンが異種族専門の医者を志そうと思ったのか、そのきっかけであろうサーフェへの思い等2人の関係性をもっと詳しく掘り下げる事も出来ただろうし、一度別れてから数年ぶりに再会した時のサーフェの想いの丈とか、250%微笑ましいであろう2人のアカデミーの生活模様も拝みたかったですな。EDの画だけで多少再会の場面は描かれていたものの、そこを本編でガッツリ観たかったという思いが強い。あと欲を言うならグレンの妹さんも笑。2話で一度登場して以来全く出てこなかったので。まあ、でも最終話におけるスカディのキャラ変に悶えさせて頂いたので許します。

自分の趣味趣向にもハマる作品でした。

 

グレートプリテンダー(13話まで)

 ここまで別に悪くはないのですが1話を観て今作がやってくれそうな事。作品に期待したものとは180度味わい方の軸が徐々に変わってきているというのが少し気になる。

メニューを観て注文し、一度出てきた注文通りの料理が席を外した隙に全く違う品にすり替えられていた。でもその料理の味も食べてみると別に不味くはない。ただ自分で注文したやつももっと食べてみたかったなぁ...という何とも作品を100%の感情で推し難い微妙な心境です(分かり難い例えですみません)。

最初は主人公の思い通りに詐欺が進んでたのが最後の最後で全ては別人物の手のひらの上で主人公が踊らされていたというどんでん返しのオチ。その流れで奴等の詐欺紛いの計画に加担させられるというまさに騙し騙されのドタバタ詐欺モノの面白さ。悪が悪が騙すからこそ詐欺行為自体に罪悪感が無く得られるこの痛快さが1話でピークを迎えており、現状主軸として描かれているのがその詐欺グループに属するキャラクターの掘り下げ。何故詐欺紛いな事をするに至ったのかという割とシリアスめな過去回想と現在軸で進行中の詐欺計画の動向とを絡めながら話が展開されている訳なのだが、正直1話の爆発力を越えられていない

どちらかといえばそういう前者要素の繊細さがCase2あたりから色濃く描写される様になっていった事で「違う...観たいのはそういうのではないんだよなぁ...」という、1話のインパクトが強烈だった分肩透かしを食らってしまった印象が強い。

個人的には1話で感じた神作レベルが良作のレベルに落ちてしまったイメージ。されど良作、別にその側面でも面白くない訳ではないけどそこに留まって良い作品でもない...という不完全燃焼な思い。特にCase2に関してはアビーの境遇を小分けにして仄めかすばかりで全く進展が無かったし、詐欺の方もそんなに刺激的な展開が無かった故に評価薄。詐欺モノとしての痛快さと人情モノとしての繊細さは相容れないのかなと。

ただ10月4日現在放送中のCase3は詐欺モノとして騙す対象と人情モノ(シンシア)にとっての復讐対象を一致させる事でこれら2要素が巧く絡む形で物語の盛り上がりに寄与してきて期待出来るかなと。これを観ていて思ったのは詰まる所、要素自体は何も悪くなくて全てはこれらの絡め方、作劇次第なのかなと

最終的に評価がどうなるかは分かりませんが、とりま今章のオチが楽しみです。

 

デカダンス

 2話におけるどんでん返し。そこから王道を貫く超克展開。

ここの裏切り(奇抜な設定開示)に次ぐ裏切り(かと思いきや王道)に関して不満はない。初めからかの力に選ばれなかったナツメと彼女に影響を受けたカブラギがこれからどう各々の想いを形にしていくのか?という本筋は世界観がひっくり返ろうとも大元は変わらなかったし、最終話でシステムを黙らす程の気概として彼等の集大成を感じる事も出来た。そこに想い入れを促すまでのシナリオも十分、ナツメとカブラギの相互作用も十分盛り込まれていましたし。

気持ち1つでアツくなれる作品としては申し分ない作品でした。

確かに空白の3年間等、デカダンスの世界観設定をもう少し掘り下げる事が出来ればもっと面白くなったのかな...とは思うが個人的に観たかったものは観られたので満足。

 

ジビエート

今季のダークホースwとしてw十分な仕事をw果たしwてくれたw

 恐らく令和アニメ史に残るであろう(残って欲しい)爆笑必至のギャグアニメ。

制作陣は多分マジメにシリアスなパニックモノとして描いているんだと思うが、全く動かそうとしない止め画連発の作画を初めとして、間抜けなSEを多発させる演出音響面、世紀末な舞台設定とは一切辻褄の合わない展開どれを取ってもツッコミが尽きない粗ばかり。この制作陣の気合いと実際の出来とのズレがくそ面白いwww

最初マジメに観てしまったのが馬鹿みたい。

MVPは満場一致でカツカレーでしょう。お疲れ様でした。

 

放課後ていぼう日誌

 今季日常系として最強。

都会から田舎に引っ越してきた陽渚が初めて釣りに触れるにあたっての魚への恐怖心や魚を捌く時の青ざめ具合等、初心者視点に沿った女の子らしさ溢れる描写がとにかく可愛くて。またそれを引き立たせる(利用する)部長の悪巧みだったり、成長を優しく見守る大野先輩の母親っぷり。時に姉のように時に妹のように行動を共にする幼馴染みの夏海との化学反応。まるでホンモノの家族のようなていぼう部の掛け合いだけで癒やしを得る事が出来る。各々のキャラの性格にスポットを当てた萌え描写も抜かりが無かったと思う。

また舞台が舞台だけあってキャラクターが会話している時の背景だったり場面場面の繋ぎで数秒のみですが描かれる太陽や海、木々の瑞々しさといった自然の描写もまた癒やしの要素に貢献してくれていた。あと一方でそういう可愛い、美しいという感情1つだけでは終わらせない釣りという今作のテーマの突き詰めも良かった。

まず初めは釣りの醍醐味といえるヒット時のビクビク感。あの刺激的な感覚僕も好きなんです笑。一度でも釣りをやった事のある人なら誰しもが共感出来るであろう釣りの魅力を提示。そこから釣った魚を捌いて食べる所だったり、釣りに関係するあらゆる楽しい側面を1つ残らず丁寧に見せてくれる。釣りに興味を持つ入り口として申し分ないフックを第1話で存分に魅せてくれる。

またいつまでも魚ヒットのビクビク感を簡単に味わせてくれる訳ではない。いつもなら釣れるはずの竿を使っていても釣る対象や環境によって結果ががらりと変わる。それを受けて何が駄目で何が原因で釣れなかったのか。当初のやり方からどうやり方を訂正すれば釣れる様になるのか。こういったトライ&エラーを自分で考えて取り組むというのもまた釣りの面白い所。少し奥に入った魅力をも細かく見せてくれるのも趣味アニメとして物凄く秀逸だなと。初心者としての魅力から中級者になるにあたってのやりこみ要素まで。ちゃんと段階を得て釣りという趣味に面白さを持たせる作劇が見事でした。

また釣りは自然ありきでないと成立しない。それが故に潜む危険や人ごとではない問題がある。そういった一見関係ない様で密接に絡む題材をも掬う回が差し込まれていたのもまた釣りアニメの完成形として相応しい構成だった。万が一釣りしている途中に海に落ちたら?を想定した着衣泳の講習を受ける回とか白鷺への弊害を通して釣り人のマナーの悪さを指摘する回だとか。1クールの中には釣りをしていない回もある。だがそれこそがホンモノの釣りアニメである証なのではないか(繰り返しで申し訳ない)。

 

 

天晴爛漫

 レースの疾走感→西部劇(ギル編)下地の人間ドラマへの主軸の変化。

これに関しては個人的に悪いと思っていない。むしろ軸が移り変わった事で天晴に人間らしい感情が芽生えるストーリーは面白かった。あと個人的に今作で評価したいのはシナリオとしての台詞の強さ。例えば11話にて小雨負傷に落ち込む天晴に対し、彼の命を繋ぎとめた輸血という技術を実例に出して、では天晴の脳内にある技術はどこまでギルに抗えるんだ?と技術繋がりで鼓舞する流れだとか、最終話にて少しだけ描かれたレース展開の最終局面でいつスパートをかけるか渋る天晴に「ここでかけないでいつスパートをかける!?人生には計算では出せない答えもある!」という今まで理屈ではない感情を自覚した天晴の成長があったからこそ響く台詞の落とし込みだとか。

 ギル編を通して天晴に成長を促す台詞のワード選び、その成長をレースの盛り上がりに活かすシナリオ面は面白かったと思う。ただあくまでギル編はその後のレースをより盛り上がらせる為のフリに過ぎない。ここの認識は最後まで変わらなかった。単体ではやはり冒頭のレースアニメだった頃の今作の面白さは越えられてなかった。故にフリ段階のギル編を物語のクライマックスに据えて1クール作品として締めたのは残念だった。希望を言えば2クールで秋クールからガッツリレースだけを堪能したかった。しないのであれば果たしてギル編というフリは必要あったのか?という疑問は尽きません。折角面白い所が複数あるのにそれらを全て活かしきらない色々勿体ない作品でした。

 

 

無限の住人ーIMMORTALー

作画、ストーリー、音響、どれを取っても最高級。

まず作画。剣士のアニメということで首が飛んだり割と流血の激しいシーン等、シチュだけを観れば確かにグロイと思うのですが実際にそういうシーンを観ても何故かグロく感じない。灰色の背景に鮮血がつく色の対比、円状に飛び散る血しぶきの出し方、一時のグロ感情を上回る美しさを感じさせる殺陣演出が1話からビンビンにカッコ良くて。

次にストーリー。当初は嘗て家族を殺された逸刀流に対する凜の復讐劇として幕開けた作品だったのだが、回を重ねるにつれて凜の敵陣営である逸刀流頭首にスポットが当たり、彼の逸刀流に懸ける信念の部分とか、彼等の家族関係とか恋人関係とかを掘り下げ必ずしも復讐心というのは君だけが抱いているものではないんだよ。と突きつける様な皮肉の落とし込み時代背景に合わせた人間ドラマに魅せられた。加えてそういう人間関係の皮肉を最後まで引き立たせるボーカル無しのEDの余韻もまた良いのよ。

また敵味方問わず感情移入を促す背景を映し出してくるから、その両者が互いの志を果たす為にしのぎを削る戦闘シーンなんかはどちらも想いも伝わってくるからこそ没入感がとてつもない。最終23話と24話にはそれらが特に伝わってきて思わず涙。

また、1話単体で観た時のお話としての起承転結の組み方も素晴らしくて。今作の9話なんか個人的にはヴァイオレット・エヴァーガーデンの10話単体の爆発力に匹敵する秀逸さがあった。詳しくはこの記事を↓↓

oxygen123.hatenablog.com

 

はい、以上全17作品の総括でした!

長ぇよ...!と思われた方々がほとんどかと思います。毎クールホントすみません...

全作品分目を通して下さった猛者の方はいらっしゃるのでしょうか...(100いない)。どれか一部だけでも観て下さったのであればそれだけで感謝です。もし何か総括へのご意見ご感想等ありましたらお気軽にコメントの方で教えて下されば幸いです(記事改善へのアドバイスなどもお待ちしております)。それではまた次クールでお会いしましょう!