なゆーのテキトーブログ

普段はTwitter(@oxygen60499747)より感想兼考察を投稿していますが140字では抑えきれなかったリアルでは言えないアニメへの想いをひたすら綴るブログとなっております。自分が感じた事を上手く言語化出来るように善処します。

世にも奇妙な物語 ’22秋の特別篇 良作感想

 

いやぁ今回の特別篇は面白かった!

個人的には『三途の川アウトレットパーク』『デジャヴ』以来の良epi.が観られて満足しています。

 

今章の本題について

まずタモリさんのストーリーテリングから。

今回彼が例として終始話されていた

ピグマリオン恋物語

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これから汲み取るに、今回描かれた4つの物語に落とし込まれた本題は大きく分けて2つ

①願いを叶えるには強い想いが必要

→『元カレと三角関係』『ちょっと待った!』

でもこれはあくまで綺麗で表面的な本題

だからこの2話はHAPPY ENDで終われてる。

次の本題が個人的には大事なのかなと

②たとえ願いが叶ったとしても、それは必ずしもその人が願ったものだとは限らない

=別の誰かの願いとたまたま一致しただけ

完全一致しなかった→『コンシェルジュ

完全一致→『わが様』『ちょっと待った!』

4つの物語で分岐する結末

BAD ENDとHAPPY ENDの違いはここにある。

ピグマリオン恋物語を例にとると、彼の作った彫刻が人間になったのは確かに誰かの強い想いがあったから。

でもその強い想いは本当に彼の「片想い」だったのか?もしかしたらそうではないのではないか?

彫刻側の「人間になりたい」という願いの方だったのではないか?という新解釈。

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でもし後者だとするとピグマリオンの恋は叶うとは限らない、むしろ彼女視点ピグマリオンからの恋心を枷に感じるのではないか?という事で、ラストにて彼が階段へ突き落とされる→人間になれた彫刻が真の意味で自由を得るというオチは最高に世にもらしい本題の表裏の見せ方で震えましたね。

これぞ世にもの面白さ。

それでは、これらの本題を踏まえた上で

1つ1つ単話の回を見ていきましょう!

 

元カレと三角関係

前述の通り、この話は「願いを叶えるには強い想いが必要」という本題が安直なまでに反映された何とも綺麗過ぎる話でした。

「世にも」にしては裏切りが良くも悪くもまっっっったくありませんでしたね(失礼

個人的に印象的だったのは演出面。

主人公が今カレに対して如何に尽くしているかというのを、冒頭で今カレに出していた「ブラックコーヒー」とロボット元カレからこれ好きだったろ?と渡されていた「ミルクコーヒー」との対比で暗示。

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そういえばカフェでも主人公はブラックコーヒーを飲んでいましたね。

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つまり主人公は本当はミルクコーヒーが好みなんだけど、あえて我慢をして今カレの好みに合わせている事が分かる描写が面白かった。

 

 

コンシェルジュ

これジャンルとしてはホラーだと思いますが、途中からコンシェルジュの「異質性」と母親の「クズ親っぷり」が喧嘩してしまって、被害者と加害者という分かりやすいホラー構図にしきれていなかった印象でした。それどっちもどっちやん的な、途中笑っちゃうシーンも何度か🤣

ただ、コンシェルジュの徹底した仕事ぶりの裏付けと共に、「父親」→「マネージャー」→「仕事」→「親そのもの」というふうに、コンシェルジュが主人公や関係者達の立場を奪っていく構図の段階的な見せ方は恐怖をそそられましたし

途中から

主人公が初め「仕事と育児の両立が大変」と言う

↓↓コンシェルジュは「仕事」を奪った

「大切なものを奪わないでよ!」

↓↓コンシェルジュは「育児」を奪った

「娘から離れて!」

👉ここで彼の中で矛盾(パラドックス)の発生

👉恐らくこの矛盾をきっかけに、コンシェルジュにとっての主が主人公から娘に移ったというラストのクリフハンガーに繋がるのかなと。

つまり前述における主人公の願い≠娘の願いとなり、主人公はピグマリオンと同じ運命を辿るBAD END、本題②が当てはまっているのかなと。

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主が入れ替わったからこそ

コンシェルジュが親の立ち位置を奪った故に

ここラストシーンにおける娘の台詞

パパ!チェスでもする?」

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この台詞、実は2回目。

1回目と比べて娘の呼び方が

「大神さん」から「パパ」に変わってるのが怖い

また、お母さんと一緒にいたいという「過去の願い」と「今の心情」であるお母さんへの嫌悪感を今度は”矛盾なく”両立させた上での『母親の自宅葬儀』というコンシェルジュの完璧なアンサーを娘に齎すオチも面白かった。

 

わが様

コンシェルジュ』が他人の願いを奪う事で己の願いを叶えるお話だとすれば、『わが様』はその逆、即ち、他人の願いを叶える事で己の願いが叶うお話。素直に泣きました。

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この話の全体構図は

”主人公の願い=わが様の願い=息子の願い”

つまりわが様とは、幼少期の主人公自身

綺麗なタイトル回収と共に

主人公自身の願いを叶える為だけに動いていた序盤から、一連の不幸がわが様ではなく主人公自身にあるという気付きから、息子に対する主人公自身の願いと、わが様の願い、息子の願いが同一なものとなり、それらが連動していく様に叶っていくオチまでの流れがとても綺麗。

物語の構図付けが純粋に巧かった。

 

ちょっと待った!

未来のご本人達の進言(余計なお世話)な末に、今の気持ちに素直になれた主人公達。

でもそれは未来の息子と娘の進言があったから成せた事。

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表では主人公達の意思の様に見せて

裏では未来の子供達の願いが働いている。

前述における

本題②があくまでも

好転的に働いたHAPPY ENDでした。