「これぞ今作の真骨頂！」転スラ24話[終]感想。

これは恐らく第8話｢受け継がれる想い｣以来の昂り。シズさん絡むと今作は強い！笑

久しぶりに萌え要素だとか呆気なさが残るチートの押し売り以外の今作の魅力が窺えた外伝だったのかなと。多分シズ回を除いては今回の外伝が本編を超えたんじゃね！？と感じてしまう程です。いや、褒めてますよ？正直侮ってました。

それでは感想本編です。▼▼▼▼▼▼▼

これはあくまで個人的な印象なのですが、今作に対して私は薄々限界を感じていた。

第8話のシズ回以降今作の面白い所が段々とそぎ落とされていっている気がしていて(総括で詳しく)、シズさんの教え子達を救うという前話までの展開も以前とは違ってチートを安売りしている様にしか感じられなくて「違う転スラはもっと出来るはず！」と1視聴者の身として恐れ多い印象を抱いてしまいながらも、自分の中の期待値と実際の内容との開きは段々と大きくなっていき、序盤から中盤にかけてのあの面白さを観てきたからこそ、終盤の｢転スラ｣に関しては正直失速を隠せないでいた。

だがその印象の塗り変わる兆しを感じたのが今話。

実は24話のアバンから、いや厳密に言うと前話23話の段階から募るに募っていた疑問が複数存在した。そのずっとモヤモヤしていたその問いの答えが今話の中で伏線回収として綺麗に明かされていく構成。これがとにかく気持ち良かった。

何か最終話の最後の最後で新キャラを出したり新しい展開を描いて見切り発車気味にありもしない2期に縋った取っ掛かりを無理くり作ってくる作品とは違って、今作は後でまとめて回収したい！という明確な目的意識があってあえて疑問を残して、今に待ってろよとばかりに我々にフックを持たせている感じがした。外伝までしっかり観たからこそ理解出来る興味の引きつけ方、溜めからの爆発が見事にハマっていたと思う。

その主な疑問と個人的な回答がこちら。

Q1. アバンにて。契約を交わすために悪魔ディアブロを呼び出した女性が自らの命と引き換えに殺害対象に頼んだ｢仇｣とは誰なのか？

A. 王国を内から牛耳る悪魔と彼等の生け贄探しに加担し恩恵を受ける人間の王族

Q2. 悪魔の脅威に怯える”人間統治”の国(←初見時の印象)に何故ディアブロが現れたのか？

A. アバンにて女性と交わした契約を果たす為。

→だが当初は王国の腐った内情はおろか、仇の正体も分かっていなかった故にわざわざ1悪魔が悪魔討伐を掲げてる人間社会に侵入する動機が不透明だった。

Q3. 何故ディアブロはシズとの戦闘を途中で止め、離脱したのか。

A. アバンにおける女性との契約内容を忠実に守りつつ、己の戦闘欲求を満たすため？

Q4. 何故ディアブロは前話でリムルを知っているかのような口ぶりで彼を眺めていたのか(彼の初登場は前話のラストシーン=それまでリムルとの繋がりは一切描かれていないということ)。

A. 一戦交えた時に興味を持ったシズの性質を｢捕食者｣の能力で受け継いだから。

→シズを介したディアブロとリムルの因縁が会わさずとも成立=スムーズに2期へ

アンサーの部分はあくまで自分の解釈なので間違ってるかもですが、23話から散りばめられていたこれら全ての疑問に欲しかった回答が成されて且つお話としても綺麗に収まってるし、ディアブロがキーパーソンになるであろう理由付けにも繋がるという点で一応時系列としては前話の23話で最終回となっていますが、何故今話の外伝を24話として本編の一部として組み込んだのかに自分の中で合点がいきました。

またQ2.について補足すると、

”悪魔の脅威に怯えるあくまで人間統治の王国”という元々の印象から、実は既に”内から悪魔に支配”されていて、尚且つ悪魔の生け贄探しに王族が加担し恩恵を受けているという視聴者側の視点ごと裏切りを痛感させられた所で駆けつけるディアブロ。

これが熱いんですよ！！！（伝われ）

だってこの裏切り展開はアバンで契約を持ちかけた女性が話していた｢仇｣の正体を回収すると共に、奴等に仲間を殺された彼女の被害者としての立ち位置、そして仇を加害者としての立ち位置という風に置き明確な悪討伐カタルシスへの溜めとしてアバンの時点から効かせていたからこそ、後のディアブロのチート無双で敵がやられる姿が大変爽快感溢れるものとして映る。

チートをより観応えのあるものとして見せる為にアバンからの背景作りが見事でした。

しかも同時にシズvsディアブロという形で以前まで敵対視していた2人だったのが、ディアブロがシズのピンチを救うという｢旧敵との共闘｣関係に結果的にとはいえ変化したのも少年漫画の王道としてまた盛り上がりましたね。

画像はdアニメストア様より引用