なゆーのテキトーブログ

普段はTwitter(@oxygen60499747)より感想兼考察を投稿していますが140字では抑えきれなかったリアルでは言えないアニメへの想いをひたすら綴るブログとなっております。自分が感じた事を上手く言語化出来るように善処します。

2020冬アニメ個人的総括

※本総括はあくまで主観的な視点によるものです。

※今回から「S」=神作「A」=良作「B」=普通作「C」=凡作という簡単な評価記号を設けました。結構曖昧な基準ですが、参考にして下されば幸いです。

 

目次 

 

Dゲーム B

・本格的なデスゲームが観られる事の期待(1話~2話)

・作中の本人達はいたって真面目にやってますけど、此方側としてはツッコミ所満載なシュールアニメとしてのギャグ要素。(3話~最終話)

・ビンビンの作画の質一本だけでも楽しめる本格的カーチェイス。(9話)

・シュカ(Cv.上田麗奈さん)の可愛さ。(終始)

主に面白さを見出したのはこの4点。

観たかったものが一貫していなかったという点ではマイナスだが、展開に合わせて視点を切り替えながら視聴すれば各々に観所を見出す事が出来、全体的には楽しめた印象。

1話~2話は、鬼から追われる緊迫感や圧倒的不利状況。いつやられてもおかしくない、且つここからカナメがどう打開していくのかというドキドキありきのデスゲームとしての良さがあった。これがDゲーム=鬼ごっこ期である。

しかし、宝探しゲームが始まった3話からはDゲーム=能力ドッカンバトル期へ。そこからは鬼ごっことしての、即ちデスゲームとしての魅力は失われてしまった。というのもこの宝探しゲームでカナメはシュカに加えて様々な人物と仲間になっていく訳だが、その過程がまあ雑。命が懸かっているのに簡単に信頼が芽生える人間関係の生ぬるさやいつのまにか蟠りが溶け共闘している唐突な展開が際立って、熱が冷めていった。

だが、これはシュールなギャグアニメだと肯定的に捉えた時に「いや~これはないでしょww」といった具合でゲーム展開の粗をツッコミ所と見なし指摘する面白さが生まれた。いわゆる本気で観たら負けの精神です。前季でいう超余裕と似た視聴方式をとっていたような気がします。これが今作に対する視点を変えた自分の経緯です。

まあですが途中でカナメとワンが互いにハッタリを仕掛ける心理戦や、9話で突然作画に力を入れて仕上げてきたカーチェイスのバトルシーンには1話のような本格さを感じた部分もありました。ただあくまでほんの一部なのであしからず。

どちらの作風にも面白さがあって要素が違えど安定して楽しめる作品でした。

 

バビロニア A

本編に見劣りする且つ独自の魅力を見出せない、むしろ本家にとってはマイナスなのでは?と思ってしまう派生モノが多い中、今作は本編にしっかりと見合う映像クオリティ、尚且つ生前のギル様を拝むという本家(主にFate/zero23話)で既に彼を知っているのであれば敬服必須な共通の観所が一貫している所が良かった。

今作の1話から既に原作(アプリ)のストーリーでいう最終章に突入しているという導入のすっ飛ばし具合で、全く身に覚えのないキャラやストーリー展開だったとしても視聴継続出来たのはおそらく上記のお陰なのかなと。

劇場版さながらの戦闘シーンにはド肝抜かれ、神視点から見た人間という種の素晴らしさや牛若丸や弁慶を初めとする英霊のカッコ良さ、自分の中で今作は本家に恥じる事の無い紛れもなくFateの魅力を継いだ作品でした。

次回作にも期待がかかります。

 

シートン A+

つくづく切らなくて良かったなあと思う作品。

1話当初の印象としては、獣が大半を占めている学園なのにそこでの日常風景を何故か人(アウェー)視点からツッコむという場違いなコメディ要素や外見は人に近いのに4足歩行で歩いたり、顔をペロペロ舐めてくるヒロインに対する獣臭さがあまり自分の中で可愛い!に変換されなかったのがキツかった。

狼としての行動形態からイマイチ人としても見られないし、外見が人に近いぶん獣としての愛くるしさにもシフト出来ないというどっちつかずな感じが拭えませんでした。(こればっかりは自分の感覚上の話になってしまいます。分かりづらくてすみません。)

加えてまんま外見が獣でキーキーうるさく鳴く行動形態も獣そのものなのに言葉だけは普通に話すモブキャラには嫌悪感すら抱きました。

ですが2話以降から獣としての本能と自身が掲げる目標との間で葛藤するキャラが追加されたり、単なる種族間の力関係をも上回る仲間との絆をテーマにしたepi.が入る事で、回を重ねていくにつれて今まで人なのか獣なのかが曖昧だったキャラ達の内面に確固たる人間味を徐々に浮き彫りにさせてくれた。これがとても大きくて。

本能が備わっていながらも、それに向き合い壁にぶつかりながら自らの道を切り開こうとする彼等の姿はまさしく人間だな、獣の皮を被った人間だな、という印象変化が当初に感じたマイナスを塗り替えてくれたのかなと。

アクティブになりたいナマケモノや草食動物に恋愛感情を抱いてしまったライオン等、元の獣としての性質に矛盾する個人の願望を与える事で、悩みを乗り越えようとするストーリー性が生まれ、その過程に緩い(あくまでも作風を留めた)人間ドラマとしての面白さを見出せた。

また同時に上記でつづった獣としての性質が、笑えるコメディにも化けたというのもまた今作にハマった要因(むしろコメディ色の方が強め)。

我々が知らないような獣たちの様々な習性を学びながら笑いに落とし込むネタが所狭しと描かれ、その題材を上手く活かしたギャグの独特な切り口にも唸らされた。

また途中からランカを演じている声優さんの声にも個人的に惹かれましたし、キャラデザの可愛さもさることながら、瞳ちゃんを筆頭にエッッッ要素も堪能させて頂きました。萌えの部分でも今作は申し分なしかと。

獣の習性がコメディにも微シリアスにも、時に物語を進展させるスイッチの役割も果たしてくれる題材活かしの巧妙さが光る作品でした。

 

八十亀ちゃん2さつめ A

1期と変わらず、むしろ他地域を巻き込みながらパワーアップを続ける名古屋ディスネタや八十亀ちゃんの小動物的愛くるしさに今期も笑わせて頂きつつ、癒されました。

少しブラコン味が観受けられた陣君の妹さんにも個人的に高ポイントを送りたい。

 

ID:INVADED  A+

未だに理解出来ない部分の方が多いですが、それでいても今季屈指のレベルで楽しませて頂きました。

まず1つ目。今作は、ある事件に対する犯人がどのようにして被害者を殺したのか?という方法にではなく、どうしてそのような殺人を犯したのか?という動機の部分に着眼点を置く事で、犯人側の犯罪心理に関心を傾ける面白さがあった。

2つ目はそんな人物の心理にスポットを当てているから(?)こそ出来る情緒的な演出。イドで再会した事によって訪れる2度目の別れ。そこで溢れ出す鳴瓢の亡き家族に対する想いだったり、本堂町と富久田保津の間で築かれた関係性だったり。特に後者に関して細かい事は分かっていないのですが、終盤にかけて情に訴えかけてくる展開の数々に惹かれていった。

 

映像研 A

とことん自分の流儀を突き通す浅草氏と水崎氏のクリエイター魂。

映像研存続の為に如何なる圧にも動じない且つ飾らない金森氏のプロデュース力

目標は同じであれど重きを置いている所が違って発生する主張の衝突と妥協を繰り返しながら、納期という枠組みの中で最大限尽力する彼女達。この様子を観ていて、学生というキャラ設定ではあるものの、どこか馴れ合いとか友達関係とは異なる仕事仲間として各々の役割を全うし、より良いものを目指していく関係性がまずいいなと思った。

衝突が起こるということはそれくらい自身の役職に懸ける想いや信念が深いということ。その中身が制作段階の中で徐々に顕になっていき、キャラ掘りを兼ねながら一人一人の行動理念に繋がるストーリー展開も良かったと思う。

個人的には、クリエイターとプロデューサーという立場が自然とボケツッコミを担う日常の掛け合いも終始観応え抜群でした笑。(最後の方は滞納者と金を取り立てる人みたいになってましたが…w)

また映像面でいうと、正直自分としては浅草氏の思い描く独自の世界で云々かんぬんする場面にはさほど響いてこなかった。それよりも自分が強調したいのは、その制作段階の中で語られる制作者の意思(上記参照)、でもなくて。

そこの部分が映像を通して、視聴者に汲み取られた時に覚える感動。制作の立場だけではなく、受け取る側である視聴者の視点が描かれたというのが今作で自分が最も惹かれた最も面白い所であり、他作品と差別化出来る所ではないでしょうか。

特にそれが顕著に表れていたのが8話の文化祭回。

前の7話で語られたツバメの幼少期。その時から培われた細部までに至るアニメーターとしての拘り。それを作品として見せられた時に、とある人物作画と娘との思い出の1シーンが重なる。あるキャラの動きと嘗てのツバメ祖母の動作が一致する事でアニメーターとしてのツバメ、そして娘としてのツバメの成長を親(視聴者)視点からひしひしと感じさせるという素晴らしい回。

この視聴者からの鑑賞パートによって、制作段階以外でも改めて制作陣の拘りを痛感出来る面白さ、そして作品に込めた制作者の想いが納品の先にいる視聴者に届けられるまでの感動を味わえる魅力が今作にはあった気がする。

故に、作品を観た人がどう感じたのかという視聴者視点が曖昧で、浅草氏がどう作品を改編したのかという最終的な結論も全く見えないまま、ただ理解し難い作品だけを見せた最終話のラストには個人的に納得いかなかった次第です。

作品を観た視聴者には恐らく制作陣の狙いは伝わっているのだとは思うが(その事を家々を貫く塔として比喩していると思われた)、肝心の此方側の視聴者(我々)にもその狙いを分からせて欲しかった。9話ではツバメから親に自身の拘りが伝わったのは勿論、その拘りが8話で我々というもう一つの視聴者にも描かれたからこそ、親が掬いとったものが我々にも理解出来た。だから感動に繋がった訳で。

でも今回の場合は、浅草氏の込めた意図(不鮮明)が作中の視聴者に何らかのリアクションを与えた。この構図止まりで肝心の我々には詳細が分からない状態で「芝浜UFO大戦」が納品されてしまった。説明すべきものが最終話に関しては足りなかったし投げやり感が否めなかったです。「芝浜UFO大戦」をどう改変したのか?が視聴者にどう汲み取られたのかという所まで描いて欲しかったというのが本音です。

ですが全体を通して観れば満足感の方が大きいです。ありがとうございました。

 

 ソマリと森の神様 A

これでもかと感情をダダ漏れにしてくる作品でした。

万物が抗う事の出来ない時間や人間を相容れない種族間の軋轢がダイレクトにソマリとゴーレムに突きつけてくる。だからこそ、絶えず2人に別れを仄めかすタイムリミットの描写、更にその針を加速させる様な困難の数々には涙を抑えられなかった。

その中で、2人が積み上げていく親子としての日々がより愛しく愛しく感じる様になっていくいって......(泣)こんなの泣くしかないやん…と思わせる回が何度もあった。

またソマリが笑うと此方も嬉しいし、彼女が泣くと此方も切実なまでに涙を誘われる程の愛着を早い段階で抱かせてくれた声優さんの演技も相俟って,より情に訴えかけられる作品に仕上がっていたと思う。

また2人を阻む敵を完全に悪認定させない点もずるいなぁと。此方側としては2人へ完全に愛着が傾いている以上、彼等へ最大限に感情移入させて欲しいのに勧善懲悪にさせてくれない所も作品として巧いなぁと思いつつ、1視聴者としてはとしてはズルい展開だなぁとも思った。

 

ネコぱら C 

OVAはA評価)

※大変見当違いの総括になってしまっている事に予めご了承を。

可愛らしいキャラデザや作風を弁えた上で視聴すれば高評価は間違いないのでしょう。

だが、自分としてはOVA視聴時に設定されたハードルを越えてこなかった、、という残念な気持ちが残る。ほのぼのだけではなくOVAのようにもう少し展開にシリアスさがあっても良かったのではないか。その方がご主人に対するショコバニの真に迫る想いの丈を感じ涙を誘う事も、嘉祥さんとネコヒロインとの関係により愛着を感じる事が出来たのではないか。可愛い癒やしほのぼの色を強くした事で、それに伴い肝心のストーリー性が良く言えばそれ相応、逆に言うと比較的弱くなってしまっている印象でした。

また時雨様のブラコン成分が足りない!(←ここは読み飛ばして頂いて、、)

 

分かっています。OVAでは嘉祥さん視点なのに対しTVアニメではネコ視点から物語が描かれている。主人公が異なっている時点で、そもそもこの指摘自体がとんだお門違いなものであるということ。嘉祥さんが出てこない時点で、自分が観たいものが制作陣の意図とズレまくっているということも早い段階から察していました。

ですが、自分が初めて「ネコぱら」に触れたのがOVAで、そこで見出した「ネコぱら」の魅力がTVアニメでは霞んでしまっている。この感触が2話で確信に変わり、恥ずかしながら最後まで覆る事がなかったというのが率直な感想です。個人的にはもっと日常風景の中にウルっとさせるようなストーリー性を持たせて欲しかったです。

また時雨様に関しても彼女のネコ愛好家な一面にスポットが当てられるあまり、もう一つの素晴らしきアイデンティティが無に近い薄味になってしまっていた様な気がしました。

恐縮ながら1つ言わせて頂くのであれば、一見関係ないストーリー展開からさりげなくしれっと兄愛を示してくるというOVAにおける時雨様の抜け目の無さが、対象こそ違うものの、TVアニメにおける動体視力検査等でも同様に観られたことからは、何となくネコに注がれる愛の延長線上にブラコン心があるんだろうな、、ということを察することが出来、またOVAでの時雨様が観られるかも!と期待を持てる回もあったのですが、あくまでその回止まり。

他の回であまりにも彼女のネコ愛好家な一面が直球且つ全面に表れ過ぎていて、最終的にはどうしてもその2要素を同一に考える事が出来なかった。自分の中でTVアニメではネコ愛好家の一面とブラコン成分が喧嘩してしまっていた印象です。むしろ前者が後者を呑み込んでしまっているように思えた。

故に彼女のネコ愛好家`以外`の一面が覗える数少ない所から僅かなブラコン要素をすくい上げる、ということしかTVアニメでは出来なかった事、OVAと同じキャラなのに同様の愛着が持てなかった事が全体を通して何とももどかしかったですね。申し訳ないです。(上記にも述べた通り、そもそも今作は嘉祥さんの出番すら少なかったのでこれらも場違いな感想です、、、)

まあこれらはOVAに散々引っ張られて、どちらにも魅力があるのにも関わらず、TVアニメ版に合わせた視点で視聴する事が出来ていなかった自分に全て責任があります。機会があれば原作の方にも触れて自分がOVAで感じた「ネコぱら」の良さは勿論、TVアニメでは感じられなかった「ネコぱら」の良さも味わっていけたらなと思っております。このたびはこのようなマイナス印象の総括になってしまい、申し訳ありませんでした。

 

空挺ドラゴンズ  B-

空という壮大な舞台設定やそこでの雄大な景色、3DCGを用いた龍の躍動感や食欲唆られる料理作画。

個人的にはあまりこれらの要素が1クール通しての観所としては弱い気がしてならなかった。

というのも、作品を象徴する何か最たる面白さがあって、そこを一層引き立たせる為に上記の様なビジュアル面が用いられてるのであれば高評価に転ずる所ですが、そこを上回る魅力を今作の場合はあまり見出せなかったというのが本音。

ただ、真面目で冷静な一面の裏に幼い無垢な少年の様なキラキラ輝く夢を秘めている3話のジロー回や、食欲魔人の裏で己の死を懸ける龍捕りとしての覚悟を刻むミカ、そんな彼の生き様に惹かれていく4話のヴァナヴェル回、龍捕りとして在り方を見出せない11話以降のタキタ回のように、1キャラに焦点を定めて龍捕りとしての生き様や成長を描く展開は面白かった。空という大きな舞台設定に対する小さな人間の逞しさや強さを感じる事も出来、作品のテーマが垣間見えた気もしたので。

ただ、散々序盤で強キャラアピールしておいてあっさり倒されるだけの味気ない空賊回だったり、降り立った村での交流を描く回等、1クールという短い括りで観るとさほど必要性が感じられない回が多かった印象。それよりも自分としては上記の様により多くのキャラを掘る展開が欲しかった。その回に外れは見受けられませんでしたのでそのスタンスを貫いていればより好感が持てていたと思います。

 

はてなイリュージョン 

1話で抱いた期待値から徐々に、確実に下がっていくクオリティに幻滅を隠せない。

これは僕の観たかった「はてなイリュージョン」ではないんだよな…と何度も思わされた。

その最たる原因が、AFを巡る騒動の下り。

ここを強調させ過ぎた事が作品の本筋を霞ませる結果になったと感じる。

当初は奇術師を志す主人公の真君の夢、怪盗の母に憧れる果菜の夢実現に対する過程にスポットが当てる事でストーリー性を確保しつつ、そこに果菜の幼馴染ヒロインっぷりや夢未の妹ヒロインっぷり等の萌え要素も味わえる期待値バク上がりの導入だった。少なくともヒロインの属性萌えに特化した作風でも個人的には十分だと考えていました。

だが段々とその路線からはズレ、アーティファクトを巡る家同士のいざこざの方に話題が移っていった。ここが一切面白く感じられなかった。

そこに真君達も巻き込まれる事で、上記のストーリー性が完全に薄れてしまったのはおろか、1話当初で感じた萌え要素も消え失せて、最早果菜の幼馴染属性は中盤以降描かれもせず、代わりに浮かび上がってくる彼女の自己中な一面に抱いてはならない嫌悪感を抱いてしまうくらい印象が落ち込んだ回もあった。萌え作品なら欠けてはならない作画も崩壊しまくるわで順調に右肩下がりの進行具合。

マジで何がしたいのかが分からない。途中から惰性で観てしまおうかと思ってしまうくらいの崩れようでした。ただ、最終話まではちゃんと見届ける所存です。

 

ドロヘドロ A+

自分はこれを日常系作品だと定義付けをしたい。

極論ストーリーはいらない。たとえ物語が進まなくとも、血みどろ顔はぎ首チョッパ何でもありで独特な世界観と敵味方分け隔て無い底知れぬキャラクターの魅力だけで楽しめる。1話で感じた作品の面白さが最終話まで色褪せなかった。

ゾンビとして復活した死人をブチ殺すという狂ったイベントでもまるでバイト感覚みたいに「お疲れーす」と言いながら参加するキャラのテンションだったり、さっきまで血がわんさか出ていた矢先にコミカルなBGMが流れコメディ展開にシフトしてきたり、グロと笑いの要素が見事に調和を果たしていた。

 

推し武道 A

アイドルモノに、ファン視点を加えた設定にすぐに心をつかまれる。

「しかし何しろ金がない。オタク全員金がない。」という台詞が印象的で何より推しの為なら何事も厭わないえりぴよさんのキャラクター像に好感を覚える事間違いなし。時にやり過ぎではないかと思わされる行動もあるが、彼女を突き動かす推しへの並々ならぬ愛にたまらず共感してしまう事だろう。

そんなえりぴよさんの、時に度を越えて推しに突っ走る清々しい姿や、物販やイベント描写などでみられる共感必須のオタクあるあるを交えて序盤は笑いを誘う展開が多く見受けられた。

回を重ねるにつれてアイドルの動向にも焦点を当てながら、推しがいるから私達は生きていけるというファン視点だけではなく、ファンの声援があるから私たちがいるというアイドルとオタク間の相互作用が描かれるのも今作独自の魅力。その中で、心中こそはお互いを想ってはいるものの、どうしても気持ちが伝わらないえりぴよさんと舞菜のカップリングにはもどかしさをいつも感じていた。

また長い時間応援し、されてきたくまささんとれおだからこそ感じる成長の感慨深さだったりとアイドルオタク間でもそれぞれ感じ方が違う組み合わせも良かった。

そういうシリアス展開を交えつつラスト最終話に繋げる手腕も流石でした。

 

異種族レビュアーズ A

エロいだけではない面白さ、巧さがそこにはある。

圧力に屈せず12話全て放映、配信してくださりありがとうございます。そしてお疲れ様でした。1ジャンルに振りに振り切った一所懸命さに感心。エッッという要素が女性キャラの魅力を引き立たせるだけでなく、きちんと作品としての面白さに直結したのは初めての経験だったのかもしれません。本当1話切りしなくて良かった。

まず風俗店のレビューを通して浮き彫りになる種族間の評価のギャップを観るのが1クール通して色褪せず面白かった。種族が違えば、当然生物本来の性質や価値観も違う。そこから各々の性趣向を比較し味わう興味深さがあった。

例えば人間のマダム層のお店とエルフのお店に対して、同じ人間視点では自分の母親の年齢に近く外見からしてもキツいからマダムは抱けない。でも見た目が可愛いエルフなら全然イケる。一方、数百年単位で生きるエルフにとって50、60歳そこそこのマダムは全然若人の範疇にいるから抱ける。むしろ同種のエルフの方が自分の母親の年齢に近いから無理。見た目なんて関係ない。といった具合に同じ店でも正反対の評価、その理由も各種族の性質に沿った納得のいくものなので、共感出来るかは置いていてどちらの視点も理解出来るものとなっている。

このように自分にとっては新鮮で新しい相手の視点を用いたレビューに触れ、許容し更に作品への理解を深める事の面白さが、Twitterで他の方々が綴っているアニメの感想を拝見する行為と似た感触があって、今作に早い段階からハマった理由ではないかなと思う。

同時に毎回異なる嬢(異種族)の性質がレビューとプレイを通して掘り下げられていくのもまた観応えがあって、題材が題材なだけあってたとえ他作品で見覚えがある種族でも新たな発見があること間違いなし。

そして回を増す毎に異種族嬢自体のインパクトだけではなくお店やプレイの内容そのものも予想を上回ってきて、それはもう夢が膨らみましたよね(笑)。ゴーレムのお店では見た目性格問わず自由に嬢をカスタマイズ出来て理想像を追い求める事が出来たり、上級魔法使いのお店では本物と遜色がない分身と3日間共に生活出来たり。もう後者なんか風俗の垣根の越えちゃってますよね、、、。

単純にお店の内容に酔いしれる面白さとその後のレビューで各々の評価を味わう。

この二段階の魅力が終始あった。これいつもアニメ視聴で自分が行ってる事じゃん、、、!ってこれ書いてる時に思いましたよ(笑)

また、エッッとは一見関連性のない政治情勢や選挙運動が描かれたりと世界観の作り込みにも力が入っていた印象。そこから悪魔という種族を色んな意味で掘っていく最終12話の流れも鮮やかでした。異世界転生者の存在、そこに住む人間と同じスタンクとの邂逅にも期待です。是非ともATーX版もみたk......(殴)

 

マギアレコード C+

世界観、シャフト演出、楽曲面、ストーリー、キャラクターへの愛着。

どれも本家の踏襲または本家に観劣りしてしまうものばかりで今作独自の魅力を見出す事が正直出来なかったです。評価にプラスをつけたのはあくまで本家の感覚を味わえた世界観に対するポイント。中身に関して惹かれるものはさほどなかった印象。

比較から評価に直結してしまい大変申し訳ありませんが、世界観やBGM、設定に至るまであらゆる要素が本家を彷彿とさせざるを得なかった以上、どうしても期待値が上に上に設定されてしまいました。故に今作の評価基準は如何に本家に匹敵する、若しくは上回る要素が盛り込まれているか、または本家で描かれた結末以外の答えが示されることだった。(自分はあれが最高のハッピーエンドだとは思っていないので、、、。)

元から結構ハードルが高めに定めていたのが悪いという見方もあるかもしれません。

ですが本作のストーリーに関しても、本筋であるの妹の件やマギウスの翼がウワサを生成する目的等本筋にまつわる核心の部分が未だ見えてこない所が多いし、代わりに物語の中心だった新キャラ魔法少女の掘り下げも所々で9話の二葉さな回といった良回は観受けられたものの、全体的に見ると本家の爆発力に押し負けていた感は否めない。

他にも、再び巴マミの「ティロ・フィナーレ」を拝めた事の興奮や、鹿目まどか美樹さやかに対するマミさんの後悔が語られる描写などは観応えこそあったが、わざわざ本家のストーリー展開をねじ曲げ、矛盾を来した違和感を超えるようなカタルシスが得られなかった事も辛かった。

現段階ではたとえ本家で無理だったとしても、本家を継ぐ世界観で彼女が嘗て背負った悔いを果たせるという外伝だからこそ描ける作品の強みが活かされていない状態。それを感じさせる為にも1クールで決着をつけて欲しかったと思う。そういう意味でも1クールだけで言えば、この外伝をアニメーションにする必要性があまり......でした。

 

虚構推理 A

場面場面の切り替わりや展開の動きがほとんどなく、全12話通してほとんど1対1の会話劇1本、モノローグ1本だけのストーリー展開に対して終始没入出来ていた事が自分でも意外。まるで小説でも読んでいるような気分だった。

その中でも、事件の概要や解決に至る推理の筋道を1シーン1シーンの画で見せてくるアニメーションならではの方法によって比較的理解しやすかったし、時に意中の相手へアプローチを仕掛けるヒロインのラブコメ要素で頭をリフレッシュさせながら視聴出来た。

何より虚構が有を成したり妖怪変化魑魅魍魎が実在する摩訶不思議な世界観だからこそ、そこから生まれた事件を嘘や虚構で解き明かしていく展開。それが見慣れた推理モノとは一風違った切り口で面白かった。出てくる妖怪達も愛らしかったです。

 

ナナニジ B+

最終話まで視聴して率直に思う印象は、「惜しい」、その一言。

回想を差し込みながら毎話丁寧に描かれるキャラの掘り下げ。そこで培った信念や生き様が今のアイドルとしての動向に切り替わった時に活かされ、結果キャラ単体の魅力に変わっていく各話の落としどころ。そしてこの1つ1つの地道な掘り進めが最終12話で22/7としての一体感、1キャラ1キャラのアイドルに懸ける想いが22/7全体の総意に集約されて感動のライブシーンに繋がる。

この流れが綺麗に運ばれていればより評価は上がったと思うが、如何せんそこのストーリー部分に粗がいくつか観受けられてしまった。故に本来であればもっと感動出来るはずのシーンの際にその粗が過ぎってしまい、思ったよりも感情が出し切れない、、、という歯がゆさを感じてしまった。

具体的には1キャラを掘り下げていく毎話の展開。上記では丁寧という言葉を用いているが、それはある限られたキャラクターのみ。それ以外の人物回の時に、どうして他に志していた夢があったのにアイドルになろうと思ったのか?何故アイドルになった動機が薄過ぎるのにそこまで情が入っているのか?等という疑問や違和感が残ってしまう回が少なからずあった。

他にも嘗て親を亡くした後悔によって性格が変えたキャラが成長の兆しを見せる回でもその取っ掛かりが雑だったり、ストーリーの意図としては掘り下げているつもりでも自分としてはイマイチ腑に落ちないシーンが確かにあった。

故にその単体キャラに愛着が湧き難く回の評価が落ちた事は勿論、最終12話で全員の気持ちが一つになり感動するはずのシーンでもそのキャラにイマイチ共感出来ず、端的に言ってしまうとノイズ的な立ち位置になってしまった事は否めない。純粋に彼女達の成長を見届けたい自分がいる一方で、本当にそう思っているのかなあ、、、、という印象を持ってしまったキャラもいて掘り下げパートの粗が最後まで響いてしまった。これが今作品を惜しいと感じた理由。

対して良い回の時は本当に1話当初のマイナス印象が塗り替えられるくらい脚本が良くて、AKB48の楽曲を物語に組み込んだ事が単なる癒着だと感じさせないくらい演出がビンビンに光っていた回もあって。何人かのキャラには愛着を持って視聴出来た事もまた事実。ただこの良脚本を全員分描いて欲しかった。

本来なら1+1+1+、、、、=満点の最終話になるはずが、足し算の中にマイナス項が含まれてしまい粗を拭えなかった惜しい作品。ただ序盤よりは格段に好きになりました

 

ランウェイで笑って A

良く捉えれば話の流れるテンポが早いから間延びせずにサクサク視聴出来る。

悪く捉えると、その分過程の部分がすっ飛ばされているから原作では感極まるであろうシーンが並のシーンに落ち着いてしまう事が多かった。

例えるなら原作において盛り上がるシーンだけを切り抜いて今回のアニメ化に当てたようなイメージ。勿論そのシーンだけでも涙ぐめるほどの威力はあるのですが、恐らく原作ではそこに至るバックグラウンドがもっと鮮明に描かれてるはずだからより感情を揺さぶられるんだろうな、、という不完全燃焼状態が渦巻いていた。その差し込みがあれば、境遇や才能の差異にくじけない千雪と育人の姿に一層心打たれ、努力が報われるシーンにもっと感動出来たのではないか。

早く盛り上がるシーンに持っていきたいが為に、少しはしょりが過ぎる展開運びによって挫折からの立ち直りの過程にもご都合感が出ていた点も否めない。

原作は大変素晴らしい作品なんだろうというのは伝わってきた。ただ今回のアニメ化に至ってはその原作の魅力を内包しきれていなかったように感じた。

 

恋する小惑星 A

瞬時に人物に対してキャラ付けと愛着を持たせる1話の満点級の入りや終始神テンポの会話模様、何よりキャラの心情に沿った演出の丁寧さは流石動画工房さんといった印象。可愛いとか面白いとかよりも巧いなあと思わされる場面が多くあった。

シナリオとしての爆発というか特別神回があったかといわれれば微妙な所ですが、各キャラの掲げる夢に着眼点を置き、夢があるなら更にその分野に対して興味関心を広げる体験をさせたり、自分の夢に対し諦めを持っているのであれば、ちゃんとそこに向き合わせる展開があったりと本当に丁寧。分野やそこに抱く感情は違えど1人1人の夢が、仲間との日常の中で着実に成長と発展を遂げていくストーリーが心地よかった。

 

歌舞伎町シャーロック B

2クール通して世間的にはあまり注目されなかった印象の方が強いが、個人的には継続的に楽しめる好きな作品だった。

まず変人が集う歌舞伎町を舞台にしているが故に目に付くキャラの濃さ。これが作品の根幹となる部分で、時にチャーハンに桃缶をぶっこんで音を立てながら食す行為の汚らしさに嫌悪感を覚える方もいたでしょうが、同時にその濃さが終始コメディの部分を担ってくれて、そんな変人に振り回されるワトソンとの凸凹コンビによる掛け合いが常に笑いを提供してくれた。

且つ毎話起こる事件の内容もミステリー要素はさることながらコメディ要素も強い個性的なものばかりで、事件発生→謎解きというありきたりな流れがマンネリせず安定して楽しめた。また、その謎解き過程の中で掘り下げられていく主要キャラ達の新たな一面を知っていくのも面白かった。事件関係者と探偵キャラに因縁を持たせて、後者に私情を持たせるストーリ展開によって、当初は変人か普通の凡人の二択しかなかった雑なキャラ印象にもう一つの味を浮かび上がらせる1話1話の脚本も巧かったように思う。

また、そんな毎話明かされていく別個の事件が後に黒幕の思惑として1つの意味のあるものに集約されていく展開にも唸らされた。

全体的にみれば平坦な展開運びでとりわけ神がかった話こそないものの、伏線やキャラ堀り等、物語としてやるべき事を着実に積み重ね、変人が集う作品としての魅力もあった。中盤~終盤にかけての盛り上げ方も普通に良かったし、少なくとも切りには確実に値しない作品だった。面白かったです。

 

petーペットー A+

個人的覇権。今季で最もSに近いA+といってもいい。

BL要素や声優さんの違和感を平気で上回るストーリー展開にそそられた。

大まかな内容としては能力者による記憶編集の辻褄合わせ。設定を理解するのに序盤は難解な1話2話の演出含め少し苦労したものの、段々鮮明に明らかになっていく話の内容、何より組織やその中に属する主要キャラ1人1人が持っている確固たる目的。成し遂げたいこと。そしてただひたすらに誰かを求める想い。

その目的が水面下で対立を起こし個人vs個人や個人vs組織という構図を生む。こうなった時のお互いの考えを台詞や心情表現などから読み取りつつ、2視点の駆け引きを神視点から観察するのがめちゃ面白かった。日常会話の中で互いの思惑が入り交じる腹の探り合いも一種の駆け引き。中々に観応えがあった。

ある人物の行動をトリガーに巻き起こる他キャラの思考や行動の連鎖反応が、次は誰がどのような行動をとるのか?もしそうすると別のあの人が黙ってはいないだろうな。という更なる展開に対する視聴意欲を掻き立て、会社という組織による抑制があるなかで繰り広げられる人間ドラマにすっかり没入していった。

 

宝石商リチャード氏の謎鑑定 B

基本的に1話完結で進んでいくので観やすい。

主に宝石を題材に用いた「良い話」が多く描かれ、大きく感情こそ揺さぶられはしなかったものの、キャラの人生観にまつわるような悩みや心のつっかえをほぐしていく脚本の繊細さが初回から光っていたような気がする。

これは自分の体験談ですが、今作の配信が開始される前にキービジュアルやPV等を事前に観てもあまり好みに合わない画のタッチで期待出来ない印象しかなかったが、1話視聴後には今作を切る考えは綺麗さっぱり浄化されていた。それくらい全体を通して秀逸なシナリオ捌きだったと思う。

ただ1点言わせてもらうなら、やや失速気味だったかなと。1話~6話に関しては上記の魅力が存分に感じられたが、リチャードにスポットを当てた後半のストーリーに関しては1話完結ではなくなったが故に1話毎にあった物語の落としどころが序盤よりも弱く感じられてしまった。ただ全然切るには値しない作品でした。

 

へやキャン A

本家「ゆるキャン」の雰囲気を継いだ緩さとキャラ同士の掛け合いに癒やされる。外に出向いて観光地を巡る彼女達の珍道中には本家さながらの微笑ましさと旅行気分を得られた。

また5分作品でありながら、ちゃんと物語にフリとオチが用意されており綺麗に落とすまでの手腕も素直に巧いと思わせる回もあって。イヌ子と千明の出会いといった新たな一面も垣間見えて2期に向けて益々心待ちにさせてくれるようなショートアニメでした。