なゆーのテキトーブログ

普段はTwitter(@oxygen60499747)より感想兼考察を投稿していますが140字では抑えきれなかったリアルでは言えないアニメへの想いをひたすら綴るブログとなっております。自分が感じた事を上手く言語化出来るように善処します。

「メイドインアビス」総括 ~好奇心とカタルシスの追求~

”先の見えない感情落差のジェットコースター”

恐ろしいんだけどその先が見たくなってしまう。そんな怖いもの見たさな部分に駆られる全13話。この作品を一言で表すならこれなのかな、と自分は思います。

 

 

 

総括

序盤でキャラ達が繰り広げる掛け合いの微笑ましさからは一転、中盤以降に訪れる理不尽と絶望の嵐に胸が痛む。時に号泣させられる程の辛さに見舞われながらも、1話から常に描かれ続けてきた「アビス」という大自然の神秘(今作品を観た第一印象があれ?これジブリ作品と観るやつ間違ったか?と思わせる程に美麗な作画やBGM、世界観に魅せられる)や、一体この先に何が待ち受けているんだろう?という未知に対する視聴者を巻き込んだ純粋な好奇心。ある意味正反対のようなこの2つの気持ちで一杯になるような作品でしたね。

正直、絶望描写の所で耐えられない方はいると思いますし、 観る人を選ぶ作品なのかなと思いますが、たとえ絶望ありきでもその中にもちゃんとオーゼン卿を筆頭に人物の掘り下げや、必ず最後には主要キャラの成長物語本筋への希望に繋げてくれる話運びもありがたかったし、構成としても見事だったと思います。

詳しく述べていきます。

 

序盤に関するアレコレ(主に1~3話)

まず序盤について。

これは正直、もう13話まで視聴し切った自分から言わせてもらうと騙されたーーーー!!!という気にしかなりません笑。(これマジです)

だって主要キャラクターがまだ見た目小学生程の子供ですし、物語の中心に描かれていた彼等の会話模様がもう可愛らしくて仕方ないんですもの笑。

勿論、まだ底が確認されないアビスの謎や散りばめられる人物の境遇の匂わせ方に若干の不穏さは感じたものの、あくまでも間接的な表現。”まだ”←ここ重要)直接的に何かがある訳では無かった。

正直これらの展開よりかは、個人的には主要キャラ達が繰り広げる掛け合いの微笑ましさが勝っていたし、特に3話でリコとレグがアビスに行く際に他の仲間と交わす別れのシーンは”感動”、今思えば最初で最後(かもしれない)純粋な”感動”が味わえた。それがまさかこんな展開になろうとは思いもしていませんでした😱😱

 

序盤以降のアレコレ(4話~最終話)

そして中盤から終盤。

さて、ここからが今作品の真髄と呼ぶべき部分。

弱肉強食という真理。そしてこのアビスにおいてその頂点に人間は存在しないということ。

層が深くなるにつれて増すアビスの過酷な環境、襲い掛かる脅威にハラハラ。時に号泣してしまう程にリコレグの悲惨な姿に辛くなるシーンもあった。

でも単なる緊迫感だけではなくて、その中に深層に対するリコの憧憬溢れる瞳や未知のものに絶えず興味を示し続ける彼女の天真爛漫な姿や持ち前の明るさに和まされる場面もあったりした。

そう、個人的に今作品は決して鬱要素だけではないと自分は思っていて、人が元から備わっている知的好奇心というものをアビスという大自然を対象に視聴者を巻き込んで刺激される面白さこの作品にはあると思う。

だからこそ微笑ましさ一色だった序盤の印象から何か変わったなぁと思ってもそれらが一切失われた訳ではない。(リコとレグの掛け合いの場面で補完)むしろ物語としての最終地点やアビスのその先の姿が見たくなるし、大自然を目の前にしてキラキラさせるリコの感情に共感を持って視聴する事が出来たと思う。

でも4話から5話に襲いかかった敵なんてほんの微々たる雑魚、即ち単なる序章だったと気付かされる。

6話以降のシーカーキャンプ編、10話以降のナナチ編では更にその度合いが増していく。リコレグとは比べ物にならないオーゼンの力によって痛み付けられる描写、リコが上昇負荷に見舞われるシーンなんてもう辛いの一言に尽きるし普通に泣いた。

しかもこれに至っては、もう3話で味わった肯定的な意味を持つ感動では一切ない訳です。ただただ 痛々しくてただただグロい描写(主に10話以降)といった「悲痛」という意味を孕んだ号泣なんですよ。つい目を背けたくなるくらい観るに耐えない場面があるくらいに。

しかも10話以降ではこれらのエグさが一層増しで描かれている。これが観る人が選ぶと思った理由です。

でもこれらの理不尽さに耐えてよく観れば、オーゼンの境遇やリコの母親との関係性が見えてきて、彼女がリコレグに力を奮った理由が分かる。ナナチとミーティの関係性が尊いと思えるし、あの時ナナチがリコを助けた理由も紐解かれる。

ちゃんとキャラの掘り下げまで今作品は完璧に描かれている訳なんです。またシーカーキャンプ編によってリコレグは深層の脅威に対するある程度の耐性をつける事が出来た。ナナチ編によって、 ナナチを仲間へ率いれると共に、彼を前へ突き動かす事が出来た。

物語としての落とし所主要キャラの成長へ繋ぎ切る構成としても素晴らしい作品でした。まぁ”絶望ありき”な所は否めないですが、最後には希望で締めてくれる所を見ても、この作品が単なる鬱作品ではない事が分かるかと思います。

だが、今作品において切って離せない絶望要素。これらを上回るカタルシスが未だに味わえていないのが今作品。続編に歓喜するべきかリコレグナナチ達の旅が終わらない事に悔やむべきかは微妙な所ですが。

果たしてアビスの底に待つものとは。(前者)

そしてリコは母親との再会を果たし、レグは自分という在り方を見出し、ナナチは自分の生きがいに探し出す事が出来るのか。(後者)

前者が判明する事で再び好奇心を、後者が解消される事で味わうカタルシスが”2つとも”味わえる事を劇場版では楽しみにしています!!

という訳で 劇場版「メイドインアビス」ー深き魂の黎明ーは 1月17日より公開となります!!!

リアタイでご覧下さった方は勿論、まだ観てない方も今から観れば間に合うはずです!!!たとえ15歳未満だろうと関係n……ゲフンゲフン

是非劇場へ足を運んでみて下さい!ここまで見てくださり、ありがとうございました!