なゆーのテキトーブログ

普段はTwitter(@oxygen60499747)より感想兼考察を投稿していますが140字では抑えきれなかったリアルでは言えないアニメへの想いをひたすら綴るブログとなっております。自分が感じた事を上手く言語化出来るように善処します。

「Re:ゼロから始める異世界生活 氷結の絆」感想

⚠️本記事は今作品の内容、及びTVアニメ版リゼロシリーズのネタバレを含みますので予めご了承下さい。

また、管理人はTVアニメシリーズ1章~3章視聴済み。原作は未読。2期待望勢、レムが好きです。(そこまで聞いてない)

目次

 

 

総括

まず、パックが男前過ぎました!!!

これが今作鑑賞後に自分が感じた第一印象。

可愛らしい通常ボイスから突然ドスの効いたボイスに移るギャップが何度も堪能出来て、TVアニメ同様痺れるものがあったし、途中の胸糞展開からパックが駆けつけた時の安心感足るや…笑。彼の可愛らしさとカッコ良さを同時に味わえる80分でした。

そして何故エミリアは自分の姿形が魔女に似た、いわゆる半魔の"ハーフエルフ"だと知っても尚、他人を想い続ける姿勢を貫けるのか。

何故人々から迫害されても尚、彼等の身を案じ続けられるのか。その裏にあるパックとの絆、そしてパックからのありがとう」に涙が止まりませんでした。(後に詳しく触れます)

また、TVシリーズ18話において魔女教徒に〇されたエミリアの亡骸を目撃したパックが世界を滅ぼそうとするシーンがあります。その時のパックの言動に

エミリアは僕が存在する理由の全て」

「あの娘のいない世界に用はない」

というセリフがある。

こういう事をしなくちゃいけないくらいにパックにとってエミリアかけがえのない存在であり絶対的なもの。今作品を観た後にこの言葉を聞くと説得力がまるで違って聞こえた。

ある意味TVシリーズにおけるキャラの言動を回収していたかのような印象も観受けられましたね。

 

エミリアを縛る「在り方」と本来の「生き方」

~パックだけが見つけてくれたもの~

ここから物語終盤でエミリアとパックが契約を交わすに至る過程について少し述べたいと思う。

今回の物語において序盤のエミリアは森を守る為にひたすら手入れを続け、森の探索に勤しむ姿がひたすら映される。時々街にも赴き、人々から冷たい視線が送られながらも、生活必需品を手に入れに行く。そして一日の終わりに、彼等といつもよりも長く話せたと心躍らせるのだ。

実に可愛らしい😆

そうこの時点で、いくらTVアニメシリーズを観ていない人でも、如何に彼女が綺麗過ぎるほどに健気で善良で優しい普通の女の子である事が分かるかと思います。

だが他の人々にとって彼女は単なるただの虐げるべき半魔であり、疫病神でしかないんですよね。

この残酷な対比によって巻き起こる様々な災い。エミリアは何も悪くないのに単にハーフエルフというだけで悪人からは商品として利用され、人々からは虐げられ、意図しない強大な力によって周りからも恐れられ、前半はハーフエルフとしての「在り方」苦しめられてきた訳です。

でも決してその苦しみを自分だけのものにしない、というか自分だけの苦しみにしないのが彼女の凄い所でもあり、一層不憫に思えてしまう所でもある。

特に、冒頭の場面でエミリア自身さえも予期せぬ力によって村人を傷つけてしまった出来事。それをずっと心の奥に潜ませていて、汚れてきたのにも関わらず、「あの出来事を忘れたくない」と当時着ていたコートをずっと着続けようとするエミリアの姿にはグッと来るものがありました。

自分の在り方=罪と捉え、それに対して向き合い続ける。常に孤高でありながらも、人々を常に想い続ける。そんな報われない彼女の姿には純粋に胸が締め付けられました…。

 

でも パックだけは違った。彼だけはエミリアの「在り方」ではなく「生き方」、即ち本来エミリアが持っている人柄を見てくれていた。だからこそ、可愛くて素直で純情が故に危うい彼女を放ってはおけないんですよね。

悪者にも情けをかけるエミリアの行動に疑問を持ったりもするけれど、彼女の前では決して奴等を粛清をせずに彼女が見ていない所で罰を与えてくれるといったエミリアへの気遣いが随所に感じられましたし、彼が助けに駆けつけるシーンには何度救われた気分になった事か…笑。(二度目)

そういう生活をしていくうちにパックの中に今まで芽生えなかった、ある存在意義を見出す。それが

 

「貴方をずっと守り続ける」という誓い。

 

に表れたのかなと。この気持ちが、後に結ばれる契約へと繋がっていったのではないかと思います。あと一言、言わせて下さい…、

夫婦の馴れ初めかよっ!!!!

 

 

双方向からの「ありがとう」

エミリアに救いを齎す為に~

次は、契約を交わした後の場面でパックがエミリアにかけた「ありがとう」という言葉。

個人的にこれは数百年もの間、彼が見出せなかった自分自身が生きている意味(=貴方をずっと守り続けること)エミリアが齎してくれた事への感謝、そして嘗て自分のことを「精霊」としてではなく「パック」として接してくれた事への感謝だったのかなと感じた。

だから今度は貴方を「エミリア」としてずっと守り続けるんだと。他の人間とは違う。こういう形の誓いなのかなと思ってみたり。あくまで個人的見解ですが。

そしてもう1つ言及すべきは、このパックの「ありがとう」に、今まで抱えていた苦しみ、不憫さからエミリアを解放させる役割をも果たしていたという事。これが素晴らしい。

単に契約したと言うだけでは足りない。あの気を回し過ぎるエミリアの事。エミリア視点ではこの契約はパックしか損をしていない。故に、必ず負い目を感じてしまうはず。つまりこの時点ではパック→エミリアの関係に過ぎない訳だ。

だからこそパック側も、彼女から得たものを提示する。それが上記にも述べた通り「パックとしての生きがい」なのだ。

晴れてこれでパック←→エミリアの救う救われる関係、持ちつ持たれつの関係となれた。

決して2人は一方通行な契約関係などではない。

そのお陰で、今まで孤独だった少女が遠慮ぬきに話せて背中を預けられる存在を手に入れた。エミリアにとっては後ろめたさ無しで接することの出来る初めての友達とも言えるし、初めて親子とも言えるそんなかけがえのない存在となった。

それがパックなんだと自分は思った次第です。