なゆーのテキトーブログ

普段はTwitter(@oxygen60499747)より感想兼考察を投稿していますが140字では抑えきれなかったリアルでは言えないアニメへの想いをひたすら綴るブログとなっております。自分が感じた事を上手く言語化出来るように善処します。

「世にも奇妙な物語」~’19 秋の特別編~感想

目次

 

 

 

 

「鍋蓋」

冴えないOLが近い未来に必要になるであろう物をAIが提示してくれる通販サイトを用いて、最終的には犯罪にまで手を染めてしまうお話。

物語自体については途中まで展開が読めてしまう単調な展開が続いていたものの、鍋蓋の伏線のお陰で何とか食い繋いだという印象。(他と比べると評価薄です😖)

ただここで言及すべきは、作品中では主人公が用途に困っていた鍋蓋がどういう意味を持っていたのか?ということ。これを軽く考察。

個人的な考えとしては

鍋蓋=今後起こる災難に対して備えろという示唆

だったのではないかと思う。

①物語冒頭で主人公に早速提示された鍋蓋

→憧れの先輩の本性に気をつけろというメッセージ。  (事実、主人公が鍋蓋を無視したせいで荒井の魔の手       に引っかかってしまった)

→嫉妬渦巻く展開へ

②物語終盤で主人公の殺人を防いだ鍋蓋

→上記の通り、荒井の婚約相手を主人公が殺害しようと    しているというメッセージ

③同じく物語終盤で、ある国の大統領的な人の通販サイ    ト上で核爆弾と共に提示された鍋蓋

→貴方と同じように他国も核爆弾を購入しているから気     をつけろというメッセージ(?)

と言った具合です。

ともあれ、各個人に必要な物は提示出来てもそれが倫理的に正しいのか否かの判断は出来ない。(=未遂だったものの、主人公に殺害を促す結果に)

出来る事とすれば加害者に止めさせるのではなく、被害者側に備えさせることのみ。しかも「鍋蓋」という抽象的なメッセージで。これが恐ろしいなと。

何故必要な物に関しては具体的なのに、備えるべき事に関しては抽象的な事に関しては分からなかったですが、AIの"光"と"闇"を同時に垣間見えるようなお話でもありました。

 

 

「恋の記憶、止まらないで」

スランプに陥ったシンガーソングライターがやっとの思いで生み出した新曲が実は昔のCMソングの盗作であった事が判明し、その曲にまつわる呪いに主人公が蝕まわれていくお話。

久しぶりのホラー枠でドキドキしましたが、面白かったです!(こういう最後までホラーチックに終わる話は久々だったので😆)

自分の書いた曲が盗作だと判明しても尚、主人公の小さい頃に思い描いた夢や今までの苦労をチラつかせて、この曲は自分のモノなんだと開き直った彼女の心情を掘る丁寧さも良かったし、その呪いCMソングの問答が堂々巡りである事(=今まで被害者側だと思っていた素子さんも実は盗作者だった)が開示されるどんでん返しも「世にも」らしくて大変観応えがありました。

ある意味、因果応報な終わり方で誰も救われぬ終幕の後味悪さも作風にピッタリでとても綺麗だったかなと思いました。毎シリーズこういうのを必ず1本は欲しい所ですね…。怖いですけど…

 

 

コールドスリープ

余命を宣告された宇宙を夢見る社長主人公が将来、治療法が開発される事を信じて冬眠に入るお話。

個人的に今回で最も化けた作品だと思います!(前回における「永遠のヒーロー」級でした!)

それまで仕事だけを糧に生きていた主人公が、 年齢を重ねても尚、色褪せることの無い息子の親子愛や今まで知らなかった家族の温もりに触れながら、最後は父親としての役目を果たすという感動のラスト。

「俺、あそこで待ってるからな」と指さす先には無数の星。当初主人公が掲げていた宇宙への夢と親子愛を絡める結末然り、もう最高でしたね。

数分前に別のホラー作品を観ていたのとは思えないくらい心温まるエピソードに思わず涙が…。本当こういう話を入れてくるから"世にも"は油断ならないなと。益々"世にも"が好きになるような話でした。

 

「ソロキャンプ」

こういう因果応報なお話大好物です笑。

また、始めはあたかも主人公が被害者でそこに訪れる奇妙な人々が加害者側なのか?と思いきや、その認識が180度一転するいかにも"世にも"らしい展開も変わらず面白かったです。←こういう設定の逆転現象が大好き。

今考えてみると、主人公の男がソロキャンプに来る理由として"嫌なことを忘れられるから"という台詞がありました。恐らくこの嫌なことというのは患者の命をいたわることだったのではないかと。本当に恐ろしかったのは主人公の方だったという今回の逆転現象でした。

まさに怪談レストランでいう「ひらめになれ」ですね。善の皮を被る悪人を成敗してくれる完璧なオチ。彼には一切の慈悲持てなかっただけに実に清々しいラストでした。

 

「恵美論」

実質1教科満点確実の世界…羨ましい…笑。

自分の過去の失恋相手や好きなタイプが学問となり研究され、最早一般教養になっていると。何たるアホな設定に大爆笑させて頂きました笑。僕だったら耐えられないなぁ。一体いくつの黒歴史が発掘されてしまうのか…笑。

ただ、現実世界でも偉人達の偉業だけではなく、恥ずかしいエピソードや人間としてはクズな一面が紹介される番組があったりします。この話で、紹介される偉人達に同情してしまいそうになってしまいました😅