なゆーのテキトーブログ

普段はTwitter(@oxygen60499747)より感想兼考察を投稿していますが140字では抑えきれなかったリアルでは言えないアニメへの想いをひたすら綴るブログとなっております。自分が感じた事を上手く言語化出来るように善処します。

『世にも奇妙な物語』 ~”21 夏の特別編~ 拙し感想

 さて、今宵もこのお時間がやってきました。

 

   《目次》

 

 

 

あと15秒で死ぬ

この話は正直微妙...でしたね....(申し訳ない)

まず冒頭、薬剤師である主人公が寿命を操る死神の特権を利用し、自分を撃った相手に復讐を試みるという入りの興味の無さ

何もそこに動機や背景といった含みとなる要素を持たせてこず単なるタイトル通りのシチュエーションのみで勝負していたのが観てる側としては退屈でした。

そもそも主人公側が腹いせに相手を殺そうとしたのは、逆恨みで主人公を殺そうとした相手側とやってる事変わらんやん、ブーメランなのでは?とさえ感じてしまいましたし.......

そこから話が進んでも明らかになったのは

主人公は自己保身故に患者の自殺を隠蔽しようとしていた事。

母である患者が娘と無理心中を図ろうとしていた事。

勘違い、仇とはいえ、娘が殺人という犯罪に着手した事。

この話に出てくる主要人物皆に何かしらの後ろめたさや罪を抱えている。故に誰にも入り込めないし、誰も救われないのも無理はないのでは?と引目に感じてしまう。

何とも表面的な後味の悪さと虚無さが残るお話でした。

ただ、この話の興味深かった点としては

「声優」である梶裕貴さんが今回「俳優」として演技をし、

「女優」である吉瀬美智子さんを初めとする他女優さんが声優としての「アフレコ」をしていたという対比構図。

物語としては全く関係無い要素ではありますが、お互いの持ち場が入れ替わった状態で話が進行している光景。

そこに対する違和感には良い意味で笑ってしまいました。

 

 

三途の川アウトレットパーク

冒頭で入る意味深な虫の視点

そして、その虫が入っていった部屋で作業をしている女性の姿。

同じくその部屋で、夫と思われる男性が観戦している野球中継に出てくる、才能に満ちあふれたエース選手

又、三途の川にて来世が虫確定になり嘆いていた男の場面含め、

それらの伏線が尽く回収されるラストシーンには不覚にも涙。

「今まで関わってくれた全ての人々に感謝」←特にこのヒーローインタビューは堪らなかったですね。生まれ変わったとしても、あの時に主人公から受けた恩の記憶は朧気ながらも彼の中に刻み込まれているんだなぁ....と。(泣けてくる)

又、自分のコンプレックスを前向きに捉えさせてくれた事による来世への期待と、前世に犯した過ちへの贖罪、これらを履き違えずに虫としての来世を選んだ主人公には好感。

むしろ前者に関しては、主人公がその選択をした事によって一層メッセージ性を強めたとさえ感じている。だって、主人公にとってのコンプレックスが目つきの悪さでも虫としての姿であっても芽生にとっては関係無いのだから。

だからこそ彼女はラストシーンで、虫になった主人公を虫嫌いだからと殺すのではなく、優しく手で包み込んだのかなと。どちらにせよ前世と来世で主人公は救われたと私は思う。

完璧な落とし所でした。

 

デジャヴ

 摩訶不思議で壮絶な体験を通じた娘と父との歩み寄りに涙。

マジで今回の”世にも”は泣かせる話が多かったですね。

「家庭を顧みる事なく自身の研究に没頭し続けていた父」

このイメージが初めは先行していて、最初は昏睡状態に陥る娘に装置を取り付け、事件の記憶を何度も何度も見せ続けていたのも、他人の気持ちを考慮しない残忍さ故かと思っていた。

だがそれは大きな間違いだった事に気付かされる。

あくまでもそれは娘の記憶から成る父のイメージが記憶の中で見せていた主観に過ぎなかったのだと。

実際は、事件当日の刺激を与える事で娘を昏睡状態から目覚めさせる為だったし、たとえ苦しませる事になると分かっていても、そうする事でしか娘を救う方法が無かったという彼なりの覚悟の表れ。事件当日、娘の誕生日もお祝いする気でいた、という様な冒頭の父親像をひっくり返す逆転展開。それが違和感なく開示されていく。(この時点で私はワンワン泣いてます)

そしてそういった父の真意が娘の中で確信へと変わり、

最後、事件の黒幕と取っ組み合いになった所で、最初は残忍な父の印象が強かった故の記憶に、父の真意にあたる誕生日プレゼントが現れ、娘視点の「記憶」と父視点の「現実世界」、2人で共に黒幕を打ち倒す展開は今作の本筋が強く表現されていたと思う。

又、ラストシーン付近でのお誕生日パーティー

あれは恐らく母在席という記憶の中だからこそ出来たお祝い事だったのではないかと。

これは個人的な解釈ですが、ラストシーンのデジャヴ現象を見る限り恐らく母親は.................

故に、黒幕を倒した後に再び事件当日の記憶が流れたのは、恐らくその中でしかもう父母娘の3人で娘の誕生日を祝ってあげられる事が出来なかったから。そう考えるとあのラストシーンで感じた後味の悪さにも何となく合点がいく。

「記憶世界の利点」とそれを以てしても「取り返せない現実」、その両面をラストで表現する意図があるのかな、という好意的な解釈にしておきたいと思います。(まぁ仮にそうだとしたら、描く順番を逆にして欲しかった気もしますが笑)

 

 

 

成る

 主人公の不祥事やトラウマの記憶を「駒の成り」を用いて掘り返し、煽り散らかしていくAI不惑のプレイングには笑いました。解説者も下ネタド直球の話題をノリノリでぶっこんでいくスタイル。一人で観ていて助かりましたよ本当に笑。

ただ物語において、この対局の勝利条件というのは相手を詰ませる事ではなく、対局者自身が成る事にあったのかなと。

何故AI不惑が対局者の人生を憂いたのかは不明ですが、散々主人公のやらかしをイジり散らかす中にも「朮(オケラ)」という成り駒から始まる改心ストーリー。

最終的に浮気性本当直ったのかこいつ?と思う様なラストでしたし、他2作が感動モノだったというのもあり、もっと笑いに振ってもよろしいのでは?とも感じたが、まぁ面白かったです。