なゆーのテキトーブログ

普段はTwitter(@oxygen60499747)より感想兼考察を投稿していますが140字では抑えきれなかったリアルでは言えないアニメへの想いをひたすら綴るブログとなっております。自分が感じた事を上手く言語化出来るように善処します。

「冴えない彼女の育てかた fine 」英梨々視点総括

⚠️管理人は原作未読なので予めご了承ください。(ちなみに0話含むTVアニメシリーズ第1期と第2期は視聴した上で今回、劇場版鑑賞を致しました。)

また、本作のネタバレ内容及び、一部物語シリーズ猫物語黒)のネタバレを含みます。

 

 

 

目次

 

 

f:id:oxygen123:20191106163336j:image

総括感想

久しぶりに完成されたラブコメを観たな、、、と。

それが鑑賞後に出た率直な感想でした。

第1期の単なる「ハーレム学園ラブコメ」から、それに加えクリエイターサイドからのシリアスな葛藤や苦悩が描かれた第2期。←ここらへんから1期からのイメージが覆りそうな予感はしていました。それがここまで化けるとは…!

今回の劇場版ではそんな学園ラブコメという括りでは言い表せられない、最早学校という舞台から完全に離れた状態で(←この時点でありきたりなラブコメではなくなっている)、主要キャラ4人の気持ちに誠実に向き合った恋愛ドラマへと発展。それを感動ありきでしっかり着地へと持っていった事が素直に凄い。

やはりそこには倫也と恵というカップリングの必然性の一方で、それに伴う英梨々と詩羽先輩の散り際といった光と影が鮮明に描かれてしまう事は避けられない。

だがその中でもちゃんと英梨々や詩羽先輩に焦点を当てつつ、物語が進行されていった事にも非常に好感が持てた。各々が今後歩いていく道 (=両者にとっての光)というのをしっかり提示してくれたので、自分なりに納得のいく形で清々しい感動が味わえたのかなと。

まとめると物語としての収束のさせ方がとても綺麗で秀逸で圧巻されっぱなしの内容でした!

また、誠実に向き合ったとは言ってもしっかり"メタで始まりメタで終わる"という笑いの方の冴えカノらしさも存分に堪能出来たかと思います。

特に焼肉店にて打ち上げをする場面で、出番の少なさを嘆いた詩羽先輩の「どうせエンドロールでも下の方に書かれているわよ、私達。」という発言を回収するがごとく、実際にエンドロールで英梨々と詩羽先輩の表記が下の方だったことに不覚にも笑ってしまいました😅

 

 

 

倫也×恵へ至った個人的見解

当初、誰もが胸をキュンキュンさせるようなメインヒロイン像を望んでいた倫也とそれに応える事が出来ていなかった恵。では何故そんな2人が結ばれたのか?互いに惹かれあったのか?それを個人的な解釈で述べていきます。

その理由を一言で言ってしまえば

<理想と現実が区分されたから >

                                             だと思っています。

自分がこの作品を観ているときにふと脳裏に過ぎったのは物語シリーズにおける『猫物語黒』其の肆で暦が忍野メメの問いに対して「僕は羽川に恋しちゃってなんかねぇよ」と言う場面でした。

仮に友達以上に意味のある関係だとしても、命の恩人というフィルターを通して彼女を見た時に、決して好きになってはいけない存在だと気付かされる猫物語黒のラスト。特別ではあれどあくまで恋愛対象ではないんだと。

f:id:oxygen123:20191106064458p:image

今回の劇場版における倫也と英梨々、倫也と詩羽先輩も似たような位置付けのように感じた。彼女達は特別な存在であれど、それぞれ 柏木エリとしてのフィルター、霞詩子としてのフィルターがある。それを通して見た時にプロとアマチュアの差といったクリエイターとしてのギャップや彼女達の1ファン(崇拝対象)としての一面が拭いきれなかったんだと思う。それよりもゲーム作りに共に寄り添い、常に隣にいてくれた加藤恵全てを倫也は選んだのかなと。

目的はクリエイターとしての柏木エリや霞詩子であれど、その理想を叶える手段 (=共に手を取り合える相手)は貴方しかいない。(少し言葉が悪い気もしますが…🙏)または仕事とプライベートは別、のような捉え方でしょうか?(すみません、上手く言い表せられない…)

ともあれ、今後倫也が歩んでいく人生のパートナーと呼ぶべき存在に加藤恵はなったと言えるでしょう。仮に英梨々推しでも、詩羽先輩推しだとしても非常に筋の通った納得のいく恵ルートだったと自分は思います。むしろ正直、ついつい恵推しへ揺らぎそうになってしまう程のヒロイン力でしたね…😅

巡漓に加藤恵自身の気持ちを投影させて、倫也のシナリオにダメ出しするシーンとかは特に可愛かった…!

f:id:oxygen123:20191106064725j:image

 

 

微かに見出す英梨々ルートへのフラグ

~クリエイターと幼馴染の両立~

サブタイトルすみません。つい本音が…。英梨々推しの身としては諦めきれない所もどうしてもあって…笑。でも単なる"負けヒロイン"では終わってはいない彼女の成長にしっかりと焦点を当て、救いを齎してくれた好脚本には改めて感謝を申し上げたいと思います!

詳しく述べていきます。↓↓↓↓↓

1期から2期にかけて、幼き日の蟠りを解消し順風満帆に見えた英梨々の幼馴染としての立ち位置に亀裂が走る。TVシリーズの2期で英梨々に襲いかかったとある葛藤。それはクリエイターとしての柏木エリか、幼馴染としての澤村・スペンサー・英梨々、どちらとして生きていくかという残酷な選択でした。

倫也がいると恋心が邪魔をして描けないスランプ状態に陥る、でも逆にいなかったら描けてしまう。紅坂朱音によってこの事実が突きつけられる2期のとあるシーンには号泣した覚えがあります。ここらへんから「これはただのラブコメ作品ではないな…?」感じ始めるきっかけとなった展開でもあったわけです。

それが今回の劇場版ではさり気なくそれが解消されていた事に気付かされる。 要するに倫也がいても絵を仕上げられるようになっていたのです。あまり重きを置いて描かれた部分ではありませんでしたが、2期でこの決断に苦しむ彼女を観てきた分、この成長(同時にディレクターとしての倫也の成長も起因?)が自分にとっては何より嬉しくて。

だってこれは 今まで分離していた澤村・スペンサー・英梨々と柏木エリ、つまり幼馴染としての自分とクリエイターとしての自分が初めて同化した瞬間なんですから。故にこれでTVシリーズにおける葛藤に決着が着き、倫也との進展にワンチャンスが掴めた訳ですよ。自分から言わせればこの成長こそ英梨々√へのフラグ。そう既にフラグは知らずの内に立っていたと思いたい。

うん、分かっている。もうこの時点で加藤恵√に入っているという事は。作品として巧い所でもあるのですが、あくまで倫也がヘルプに入ったこの2週間は加藤恵に必要だったドラマの部分、恵√における起承転結の「転」としての役割だった。そして恵√に入らなければその成長も描かれないという皮肉が辛い…。

それでも、その中に少しでも英梨々√への兆しが見出せた。倫也と結ばれる為に越えなくてはならないスランプを克服したのを知れた事価値があると思う。結果だけ見れば彼女の初恋が叶う事はありませんでしたが、そこに至るまでの苦悩が解消され、倫也と結ばれるまでの条件が達成出来ていたこと。これに関してはマジで嬉しかった…!というのが正直な感想です。

 

澤村・スペンサー・英梨々として守ったものと捨て去ったもの

上記で微かに英梨々×倫也の可能性を見出せたという事を綴りました。なのに何故彼女は智也の崇拝対象、即ち柏木エリとして常に彼の憧れの存在であろうとしたのか。

上記でも少し触れていますが、それは既に彼女の澤村・スペンサー・英梨々という一面に幼馴染以外の意味が内包されていたから。

つまり彼女は加藤恵の親友でもあるからです。だからこそ倫也を恵とのサークル活動から引き離し、親友を傷つけてしまった事に責任を負わねばならない。その為に2人の仲を応援するのが私達の役割なんだと。

その道理を彼女に促した詩羽先輩は最早大学生を通り越して大人の風格。それとも既に倫也の気持ちを見透かして2期ラストのキスで踏ん切りをつけていたのか…?

定かではないですが、少なくとも倫也と恵との関係を知っていてそれが揺らぐことがない事を自覚していたのは事実なのかなと。そして英梨々も恐らくそれを察していたと自分は思う。その焦燥感が、恵と倫也が共に登校する光景に割り込んでいく行動から表れていたのでは?と感じている。

それでも尚、彼女は澤村・スペンサー・英梨々という立場を倫也の幼馴染として、ではなく恵の親友として振舞った。それくらい恵が倫也同等に大切な存在だったということなのでしょう。

故に、家の前における倫也との会話で

『10年前の私可愛かったー?』

と最後のあの場だけで幼馴染としての特権を使い切り、去っていく姿には泣ける。だってもう幼馴染としての彼女は今後見る事は出来ないんですからね…😭

ここからは柏木エリとして、クリエイターとして常に倫也の最前を走り続けなければならない。だからこそ唯一恋する一人の女の子として見せた最後にして最高の彼女の笑顔は今作品屈指の名シーンと言えるでしょう。

推しとしては彼女の覚悟を認めなければいけないのですが、それは彼女にとっての初恋が終わってしまうことも含んでいる訳で。その苦しみを、悲しみを詩羽先輩にぶつける場面にも涙を流さざるを得ませんでした。

僕ははこれらの感情を受け止めて彼女が踏み出す門出を祝うべきなんですよね。それでも…やはり愛おしい幼馴染ヒロインのこういう最後は何度観ても胸を締め付ける苦しさを感じてしまう。物語の結末としては何の文句のつけようもない終幕でしたが、主観では勿論幸せになって欲しかった。(そのフラグは本作中に立てられていたのですから)

だがこれだけは言わせて下さい。

澤村・スペンサー・英梨々は永久に不滅です!!!!!

エピローグでの微笑ましい彼らの掛け合いがそれを裏付けてくれたかのようで自分からしたらもう大満足な幕切れだったと思います。

制作陣の皆さん、キャストの皆さん本当にありがとうございました。