エヴァファンの卒業式『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』垂れ流し雑感
まず、大きな声で言っておきたいのは、今作を全くの別ルートから始めるのではなく、「破」「Q」の延長線上から物語を再開させ、綺麗に描ききった事。誰の目から観ても面白いであろう「破」からの 、考察ありきでないと楽しめない「Q」を蛇足にさせなかった事。
何よりこれが一番嬉しかった。
「破」におけるシンジ君の決断が「Q」で尽く覆されたあの虚無感が報われた気がしました。
且つ、今まで考察でしか埋められなかった余白の部分を映し出してくれたお陰でキャラクターについても理解が深まり、一層落とし所に納得出来た点も観易かった。
また、ゲンドウは如何にして計画を遂行しようとしたのか。
そしてシンジ君は如何にして父の野望を食い止めたのか。
正直、人類補完計画云々のマクロ的な過程に関しては未だによく分かっていない。
ただそういう物事の因果が見えなくても、そういう行動に至った切っ掛け、トリガーとなるキャラ心情は鮮明に分かる(少し分かり辛い表現ですが...)のも良かった。
先ほどの2人で説明すると
ゲンドウ→亡き妻への想い、その裏側にあった息子への後ろめたさ等
シンジ→貴方がエヴァに乗った事で奪われた命と同時に救われた命がある。それを14年後の友の言葉や恩人と仇の間で揺れるトウジ妹の葛藤、様々な罪を背負うミサトの苦悩を知る事で独りよがりの自分から脱却していく、
といった所でしょうか
壮大な人類補完計画とやらの云々かんぬんよりも、そこに纏わる動機や気持ちといったキャラ描写のバックボーンが明かされた事による結果への納得感。
それを各々の主要キャラにスポットを当て、描いてくれた。
個人的にはこれだけで十分。
最終章としては分かり易く、実に共感し易いラストだったと思う。