なゆーのテキトーブログ

普段はTwitter(@oxygen60499747)より感想兼考察を投稿していますが140字では抑えきれなかったリアルでは言えないアニメへの想いをひたすら綴るブログとなっております。自分が感じた事を上手く言語化出来るように善処します。

『青春ブタ野郎は夢みる少女の夢を見ない』ネタバレ有感想

※管理人は原作未読です。

 

 

 

 

◎総括感想

今回の青ブタ劇場版というのはTV放送分のみでは伏線回収が成されなかった部分(咲太の思春期症候群の詳細や牧之原さんに関する謎)、つまりは牧之原√を丸々描いた作品となっていて、特に結末に関しては異論は無いしTwitterの感想欄に関してはこれでもかという程の賞賛の嵐であった。

しかし原作未読だとそこに行くまでの過程の描写が少し雑だったのかなという印象があり私の場合は感動よりもその違和感の方が勝ってしまった結果、泣きたいのに泣けないという不完全燃焼状態に陥ってしまった。

またTV放送分で描かれた思春期症候群に比べ比較的重いテーマで描かれた為に結果としてTVシリーズにおける青ブタの面白さの部分が失われてしまった印象を受けた。おそらく今作品にシリアス過ぎるシリアス要素は必要ないのでは?と思ってしまう程、あまり自分が望む構成ではなかった気がする。

しかし良さを汲み取るのであればその重さのおかげでTVシリーズでは見られないヒロイン達の様々な魅力を見いだせた事は好印象であった。

続いてこれらを具体的に言及していきます。

 

 

1.展開の端折り傾向について

·過去に戻った咲太の事情を理解するのが早い麻衣さんに違和感。その理解するまでの過程も取ってつけたかのような設定だった

·牧之原さんの存在が消えた事によって元々会わない運命に立たれた咲太と麻衣との関係が元に戻る過程が描かれず、直ぐに元の関係に戻ってしまう所に違和感

→これらの端折り展開に付いていけず感動すべき場面で素直に感情移入出来ない所が非常にもどかしかった。

(特に量子もつれによる記憶の保持によって牧之原さんと咲太達が再会するラストのシーンは是非とも泣きたかったですね………感動が違和感を超えてくれませんでした。)

 

 

2.TVシリーズにおける"面白さ"の消失

青ブタの例えとして"化物語"×"俺ガイル"というイメージで表現されていた今作品。

TVシリーズでは化物語にあたる部分、つまり咲太を筆頭とした独特なワードセンスによるヒロイン達との会話模様。特に咲太と麻衣によって繰り広げる互いにSとMの主導権が入れ替わり続ける言葉巧みな会話劇。僕としてはその会話劇こそ青ブタの一つの魅力だとTVアニメでは感じていたのだが劇場版ではテーマが重かった分、その描写が足りなかったように感じた。

他にも後輩の古賀朋絵や妹の梓川かえでのようなTVシリーズでは一部で主役級だったキャラ達の出番をもっと増やして欲しかった。

 

 

 

3.麻衣先輩の正妻ぶりの発揮

牧之原さんと咲太を取り合う場面や牧之原さんが咲太に世話を焼くのを阻止しようとする彼女等、TVシリーズでは咲太側から引き出していたデレver.の麻衣さんを彼女自身が自発的に行動に表す描写が多く見受けられTVシリーズにおける13話のラストのような麻衣さんを終始鑑賞出来たのは良かった。

特に、普段は咲太側から引き出す愛情表現を今度は彼女自身から何度も、しかもストレートな言葉で咲太に投げかける駅のシーンでの彼女は決してTVシリーズでは観られなかった姿。加えて咲太の身を案じて過去の咲太と出会う場面で見せた危機迫った表情も今作品ならではだったと思う。それくらい重い選択を咲太と麻衣さんは迫られていたという事。

 

 

 

4.双葉理央のヒロイン属性開花?

TVシリーズでは思春期症候群に関する咲太の良き相談役としての側面が大きかった彼女。

だが今回の内容があまりに重過ぎるものだった故に咲太の身には常に重大な危機が訪れる。TVシリーズでは冷静沈着なイメージが強いが故に"友達"として本気で彼を心配し、咲太が帰ってきた時は本気で泣いてくれる双葉の姿はとても新鮮だった。

双葉理央自身がそうするのもTVシリーズ8話で再確認した咲太、双葉間にある友情の為。牧之原さんに関する謎が解き明かされていった裏でTVシリーズにおける別ヒロインの他の魅力を描いてくれた所は好印象。